2000年4月23日
快晴
ここ大屋町の「あゆ公園」は大屋川に面した山麓の広い町営の公園で、レストランに水族館もあり、トイレ洗面所なども完備されている。隣は農村公園でふれあい農園、ワクワク工房、フラワーハウスなどがあり宿泊にはペンションやコテージがある。
昨夜はこのあゆ公園駐車場にマイカーを止め、いつものように車中泊である。
朝5時20分目を覚ます。5時40分大屋富士の左肩から日の出、西に16夜の白い月がかかり昨夜の雨も晴れあがっている。気温8℃と外気温は低いが雲一つなく気分は爽快でとても清清しい。
標高598.2m
「大屋富士」は大屋町役場から真東へ2kmくらいの所、町の中心にドーンとかまえている。氷ノ山・後山・那岐山国定公園の一番東に位置し、大屋川と明延川の合流部に裾野を引く。
富士を美しく見るには、役場より少し西よりにある老人ホームあたりからが良い。姿は頂上が少し平坦で裾野は左右に幅が無いので、丸々太ったお富士山である。
国土地理院の地形図には三角点の標高が表示されているのみで山名も山道も記載が無い。
地図だけではどこから山に取りつけば良いのか皆目見当が付かないので、いつものように町役場で山道をお聞きするも「わからないので、山の近くの区長さんを紹介するのでお聞きください」だった。
商工観光課より御送付いただいたパンフレットにも「大屋富士」に付いては何にも紹介が無かった。大屋富士の山頂までに道を整備して観光スポットとする価値は無いのだろうか。
食料品店のおばさん
大屋市場の商店街で一軒しかない食料品店でパン等を買ったついでに60歳代のおばさんに「大屋富士」の登り口と山道を尋ねたところ「知っていますよ」とあっさりと言われる。
あれが「大屋富士」と指差しているので、ええ商店街で家が続いているのにここから見えるんかいなと思ったが、その方角をみると向かいの屋根の上に丸い形の富士が見えている。
おばさんに、「大屋富士」に登られたことがありますか?と伺うと「私らの子供の頃にはあの山によく登ったもんだ」と言われる。「友達と一緒に杉の落穂を拾いに行き袋に入れて持ち帰った」とのことである。
えらい! 遊びじゃなくて、家の助けの為とは。
最近は、ほとんど登る人もいないそうで、正月前に「飾り用に松やウラジロを採りに地元の人が入るくらいかな」と言う事であった。
登山口は地蔵堂から
大屋市場の交差点の信号から少し北よりの所の道脇にお地蔵さんが祭られている。この左側に尾根があり横には細い谷川が下ってきているので、その尾根をまっすぐ登れば良いと教えられた。
09:10 先ずはお地蔵さんに安全をお願いして、山道に入った。案の定、道は無い。丸い山なので尾根といってもはっきりしない。取りついたところは人の踏み跡が在るかなと思えるのだがすぐその踏み跡すらなくなった。
その上すぐに急坂となる。
尾根を境に右は落葉樹の林、左は杉の植林なので明るい右寄りを歩く。ミツバつつじはピンクの花びらがきれいだ。傾斜はどこまでも強く、木につかまり岩に足をかけ、両手両足を使って登る。
木の少ない所はつかまるものも無く危険、滑れば大事故やなあと思いつつ、一歩一歩気をつけて進む。
山桜 背景は白銀の氷ノ山
朝日に輝く氷ノ山
4月下旬とはいえ、中国山地は春になったばかりの季節で、風は冷たく強い。中腹にはあちこちに山桜が満開で、振り返れば兵庫県の最高峰「氷ノ山」が白銀に輝いている。
10:10 あと少しで山頂の所にはまばらに自然樹の杉や落葉樹が林立し大小の岩が露出している。落石が起こりそうで怖かった。
10:25 だんだんと坂が緩やかとなり、平らな山頂に着く。
背の高い雑木が林となっており残念ながら周りの展望は全くなかったし三角点を探し回ったが見つけることも出来なかった。独立峰でないので無いのだろう。 山頂は東西に長く平らで広い。お寺の大伽藍も建てられそうだ。
大屋町のシンボルに
登りは75分かかり、下りにも60分もかかるというとてもしんどい山であった。道が無く尾根を直登したので登山の困難な山だが、道をジグザグに切り開けば老若男女歩けないことは無く、また山頂に展望台などをつくれば大屋町のシンボルの山になれるのではないだろうか。
加保坂ミズバショウ園からの展望
2015年10月29日撮影
<<付近の宣伝>>
「天滝」
落差98m(日本の滝百選)大屋市場より車で15分徒歩40分。見逃せない滝です。
樽見の大桜
「ミズバショウ」
加保坂ミズバショウ
自生する氷河期の遺存種で日本での南西限のもの。今日はまだチラホラだった。5月の連休頃が適期だろう。
ここの花の特徴は小さくて可憐なこと。(車で10分)
2010年04月14日
再訪 晴れ
大屋富士には10年ぶりの再訪でした。今回は御祓山の山頂直下に咲く「みづめ桜」を観るため、大屋富士と御祓山の両山を登ります。
(御祓山の記録はこちらです)
糸原より見る大屋富士
ルート
地元の方のご意見は御祓山までは道ができているのでこちらからのルートが良いとのことだったが、道の無い大屋富士のとんでもない急坂を下るのは危険なので皆さんと反対ルートで登ることにした。
ここに駐車、さぁ出発です
登山道はもちろん無い
取り付いた地点から大崩れ
大丈夫かな? これは大変な坂です。
滑ります
尾根に出て一安心も
クヌギの大木がチラホラ尾根
何とか三角点に着きました
下山してもう一度振り返ります。
御祓山の記録はこちら
とがやま温泉 「天女の湯」
日帰り入浴