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HDDの説明

HDD えいちでぃーでぃー ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)の略

HDDの説明

@  どんなもの

 代表的な記憶装置の一つ。磁性体を塗布または蒸着した金属のディスク(「プラッタ」という)を一定の間隔で何枚も重ね合わせた構造になっており、これをモーターで高速に回転させて磁気ヘッドを近づけてデータを読み書きする。磁気ヘッドとディスクは10nm程度と非常に接近するため、振動に弱い。パソコンを初めとするほとんどのコンピュータに搭載されている、代表的な外部記憶装置。ディスクの大きさは、ノートパソコン向けのものは2.5インチが、デスクトップパソコン向けのものは3.5インチがそれぞれ主流。コンピュータとの接続にはSCSIやIDE(ATA)などが使われる。

A  コンピュータとの接続にはSCSIやIDE(ATA)

IDE  読み方 : アイディーイー

フルスペル : Integrated Drive Electronics

 パソコンとハードディスクを接続する方式の一つ。Compaq Computer社やWestern Digital社などが共同で開発した。1989年にアメリカ規格協会(ANSI)によって「ATA」規格として標準化された。BIOSによって直接制御できるため、SCSIなどほかの方式に比べて簡便で低コストである。しかし、同時に2台までしか接続することができない、ハードディスク以外の機器を接続することができない、ハードディスクの最大容量が528MBまでに制限されている、などの弱点がある。IDEを拡張したEIDE方式がパソコン用の接続方式として広く普及した。これをさらに拡張したUltra ATA規格の普及も進んでいる。

B ATA 

ATA 読み方 : アタ

フルスペル : AT Attachment

 1989年にアメリカ規格協会(ANSI)によって標準化されたIDEの正式な規格。最初のATA規格は、最大データ転送速度は3.3MB/秒で、1台のハードディスクの最大容量は528MBまで。IDEに比べて若干の改良が加えられている。その後、EIDEを規格化したATA-2とATAPI、信頼性の向上や障害管理機能の追加を行なったATA-3、ATAとATAPIを統一したATA-4などの規格が策定されている。

C ATA-4

ATA-4 読み方 : エーティーエーフォー

 ANSIが1998年に作成した、IDEインタフェースの規格。初めてUltra DMAモードに対応し、Ultra DMA/33(Ultra ATA/33)を正式に採用した。従来は別規格だったCD-ROMドライブなどの非ハードディスク機器向けのATAPI規格を統合したため、「ATA/ATAPI-4」とも呼ばれる。

 通信用ケーブルの間にグラウンドケーブルを挟んだ、80芯ケーブルが使用できるようになったのもATA-4からである。ATA-4規格は従来のATA-3の上位互換となっており、ATA-3規格に対応したコントローラやドライブは、ATA-3規格の範囲内で、ATA-4対応機器と混在できる。

 なお、現在はATA-4の後継にあたるATA-5がリリースされており、Ultra ATA/66への対応が行われている。また、さらに高速な転送モード(Ultra ATA/100やUltra ATA/133)を定義するATA-6やATA-7規格も現在策定中である。

D Serial ATA 【シリアルATA】 SATA

Serial ATA 【シリアルATA】 読み方 : シリアルエーティーエー

 パソコンとハードディスクなどの記憶装置を接続するIDE(ATA)規格の拡張仕様の一つ。

 従来のATA仕様の後継仕様で、2000年11月に業界団体「Serial ATA Working Group」によって仕様の策定が行なわれた。

 同グループにはコンピュータメーカーや記憶装置メーカーの大手が参加しており、中心メンバーは、Intel社、APT Technologies社、Dell Computer社、IBM社、Maxtor社、Quantum社、Seagate Technology社の7社。

 Serial ATAは、Ultra ATAなどの現在のATA仕様で採用されていたパラレル転送方式を、シリアル転送方式に変更したもの。これにより、シンプルなケーブルで高速な転送速度を実現することができる。従来のパラレル方式のATA諸規格との互換性も持っている。

 さらに、従来はドライブごとに必要だったジャンパピンなどの設定も不要になり、ハードディスクなどを「接続すればすぐ使える」ようになるとされている。

 従来のパラレル方式のATA仕様で転送速度が最も高速なのはUltra ATA/133の133MB/sで、パラレル方式ではこれ以上の高速化は難しいとされる。

 Serial ATAの最初の規格「Ultra SATA/1500」は1.5Gbps(約190MB/s)と、従来の約1.4倍の速度を実現する。Serial ATA仕様は今後も拡張を続け、2004年にはその倍の3Gbps(380MB/s)、2007年には6Gbps(750MB/s)に引き上げられる予定。

E Ultra SATA/1500

読み方 : ウルトラエスエーティーエーせんごひゃく

F RAID

RAID 読み方 : レイド

フルスペル : Redundant Arrays of Inexpensive Disks

 複数のハードディスクをまとめて1台のハードディスクとして管理する技術。

 1987年カリフォルニア大学バークリー校のDavid A.Patterson氏、Garth Gibson氏、Randy Katz氏の3人によって提唱された。

 データを分散して記録するため、高速化や安全性の向上がはかられる。専用のハードウェアを使う方法とソフトウェアで実現する方法がある。高速性や安全性のレベルにより、RAID-0からRAID-5まで6つのレベルがある。

G RAID 0

RAID 0 読み方 : レイドゼロ

フルスペル : Redundant Arrays of Inexpensive Disks 0

 RAIDのレベルの一つ。ストライピングとも呼ばれる。複数のディスクに均等にデータを振り分け、同時並行で記録することで、データの読み書きを高速化したもの。ディスクが1台でも破損するとデータ全体が損なわれ、1台のディスクに記録するのと比べて信頼性はむしろ低下するため、ストライピングはRAIDではないとする立場もある。

H ストライピング 【striping】

読み方 : ストライピング

 1つのデータを2つ以上のハードディスクに分けて同時に書き込むこと。

 ストライピング先のディスクで最も遅いものの転送速度に台数を掛けたものが全体の転送速度になり、飛躍的にデータ転送が高速化される。

 ストライピングするハードディスクの容量は、ストライピングを行なうディスク全体でもっとも容量の小さいものの容量に台数を掛けたものになるため、各ディスクの速度と容量を活かすためには、同種のハードディスクでストライピングを行なうのが望ましい。

 ストライピングはRAID-0として規定されており、名目上はRAIDの一種とされているが、データの冗長化は行われない。このため、ストライピング構成は耐障害性が低く、ストライピングに使用しているハードディスクが1台でも故障するとデータが復旧できなくなってしまうという欠点を持っている。

 この欠点を克服するために、ストライピング構成をまるごとミラーし、片方のストライピング構成が破損してもデータが失われないようにする(その代わりディスクの台数は2倍以上になる)などの方法が考案されている。

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