酵母とパンと酒
山岳会の会報で山とは直接関係のないような気がしますが、どんな山行であろうと酒なしでは下山なさる方々に酵母のお話はいかがでしょうか。
我が家ではもう20年以上も酵母を育てており、酵母さんのお世話になり自然醗酵パンを焼いている。
残念ながら酒税法があり甘酒以外には酒は自家製造できない。
地球上には百万種以上の生物が生息しており、何十万種の微生物がいる。
酵母(英語でYEAST、イースト)は微生物の一種である。酵母は出芽増殖(子供を産む)をする(細胞分裂によって増える他の単細胞生物とは異なる。
★ 特徴は(1)小さいー100億個で1g (2)玉子の様に丸い (3)白い (4)運動しない (5)水より重い。(6)そして甘いものが好きである。
酵母は口が無いのにどの様にして食べるのか?
微生物は澱粉を小分子の糖などに分解して吸収するのだが、酵母は微生物としては珍しいことに分解できないので、麹や麦芽などの分解酵素の助けを借りる。(ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖など)
バクテリア、カビが付くと食物を腐らせるが、酵母が付くとアルコール酒、ヨーグルト、甘みや香りがでるが腐ることはない。
我が家でも20年も酵母を死なさずに育てられているように、酵母はとても育て易いのです。犬や猫の様に病気に罹ることもなく、花の様に虫もつかない。
澱粉と甘いものを与えておけば、あとは冷蔵庫で保存するだけで良い。まあ細心に注意することといえば雑菌の混入を防ぐことである。たとえ雑菌が浸入しても、酵母の強い環境を守れば浸入した雑菌を食べてくれるその増殖を許さない。
★ (1)酸素があってもなくても生育
(2)強酸性に耐える
(3)濃糖分に強い
(4)アルコールを多量生産しそれに耐える、つまり酵母は酸素が乏しく、酸性で、糖分が高く、アルコールが蓄積する環境で強いのだ。
YMCC(大阪労山)の生存環境と近い?
古代にワインが出来たのは必然のこと
熟したブドウには酵母が何故かたくさん棲みついている。
もちろんバクテリア、きのこ菌、乳酸菌なども酵母に比べて数万倍も棲みついているのだが。ブドウの果汁が酸素の欠乏したビンなどに詰められれば酵母の強い環境となりバクテリアの細菌に打ち勝ちワインができる。
夢のような酵母
ご飯を食べるとアルコールに酔う「酩酊症」の人がいるそうで、彼の腸内に棲む特殊な酵母が、ご飯が消化されて糖分ができるとそれを食べてアルコール醗酵を行う。
つまり体内で「口噛み酒」ができるのだ。彼はご飯を食べると飲酒運転となるので、運転する時はいつも空腹でなくてはならないので困っている。この腸内酵母を培養できたら酒は飲まなくてもいい・・・?
マッタケ菌のようなきのこ菌の培養より難しいかも。
天然酵母(自然醗酵)パンを焼こう
酵母はタンパク質、脂肪、ビタミンB、ミネラルをバランスよく含み栄養価が高い。ベーキングパウダーで焼いたパンが風味に乏しいのに比べ、酵母は生地中の糖分を食べて炭酸ガスを発生し生地を膨らませ、それと共にアルコールやさまざまな香味が出て醗酵風味を付ける。
焼き上がり
私が使用しているホームベーカリー
http://www.aucsale.co.jp/products/34466.html
(5,700円と安価)
材料を仕込む
自動運転
2時間後 こねて発酵中
5時間10分後 発酵終わり
焼き始める
35分間で焼き上がり
取り出したところ
切り口