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百丈岩西稜を登る竹久さん
傷心の先生を慰めに
シジュウカラが こんにちは
百丈岩トレーニング
とき: '98.5.31(日)
参加者: L.森本、内田、生信、竹久、日野、高井、中川、小島
中級=川原・薫、荒木
10:00快晴。道場駅大北商店前に6名の仲間たちが待っていた。(森本、内田、日野、高井、生信、竹久)
森本さん、内田さんは朝5時起床で武田尾から中級登山学校のみなさんと一緒にボッカ。男30kg、女25kgの負荷で、途中薮漕ぎやぬかるみがあって、悪
戦苦闘の場面もあったらしい。内田さんは左足が泥まみれ、スニーカーもボチョボチョ。朝一番2時間40分、よくやるな、と感心。
日野さん、高井さんは生瀬から武田尾まで廃線ハイク。それもゴミ拾いでがんばったと。来週の全国一斉清掃登山を意識して1週間早い自主的取り組み。高井
さんは日野さんとしょっちゅう低山ハイクで山歩きされているとか。四国八十八箇所の半分をバイクで3日間かけて回られたそうな。YMCCの山菜・きのこハ
イクに2回ぐらいきていただいたことがある。百丈岩やまびこ茶屋前では中級登山学校が行われている。大見則親さんがランニングビレイの取り方について講義
中。川原さん、荒木さんの顔も見える。今日の中級は不動岩2班、百丈岩3班とのことだが、3班だけでも生徒コーチ合わせて20名ぐらいはいらっしゃるよう
だ。すごい学校だ。YMCCの今日のトレーニングは森本さんリーダーで、パーティ分けは森本・日野/生信・内田/中川・竹久の3隊となる。高井さんは遠慮
なさって、ハイキング道で見学するとのこと。
下部岩壁の泰介ルートには中級の2パーティと生信パーティが先着。中川・竹久もそこに加わり、混雑しているので、悪いけどさっさと先行させていただく。
生信先生も上がってきて同じ松ノ木でビレイ。
「夕べ友達が亡くなった、まだ56歳だった」とお話になる。テニスの仲間でポチャポチャッとした肉付きのよい体格だったが、痩せてしまい48kgまで落
ちてしまったそうや。見舞いにも来てくれるなといわれた。病気はガン。人間いつかは死ぬが、少し早すぎる。今夜は通夜、ザイルをたぐりながらしみじみと
おっしゃる。
ローソク岩の下の枯れ木の上でツーピーツーピーと鳴いていたシジュウカラ(四十雀)が確保している生きた松のすぐ横の枯れ松に飛んできてとまった。シ
ジュウカラは正面から見たら、頭から腹まで真っ黒に見える。小さい体だけれど、いたずらっぽい鋭い目をしてこちらを見る。わずか2mの近くまで寄ってきて
いいさえずりを聞かせてくれるなんて初めて。
幅広い黒いネクタイが特徴。横から見れば頬が白いのでついホオジロとシジュウガラがこんがらがってしまい、先生に「これがホオジロ」と間違って伝える。
「ん? ホオは白くない」と先生はおっしゃるが、見えないだけ。
「黒いネクタイしてるでしょ」
「うん、今晩、私も黒いネクタイせんとあかんのですわ」
すぐ横をツッカケをはいて、クライミングシューズを腰にぶら下げたクライマーが通過していく。3級ルートとはいえ、ツッカケとは恐れ入る。中級のコーチなんやろか? 「いや、違うんじゃないか」と先生はおっしゃる。
ローソク(中央稜)はいつもの右端のリッジ。竹久さんはあまり詰まることなくシャカシャカと登ってくる。
東稜に行けば、ここもたくさんの中級のメンバーあり。入沢さんの声はよく響く。凹角から東稜リッジは大変混んでいる。東稜ギャップで少し待ってから登る。
森本・日野隊はリッジが混んでいるので凹角から左フェースに移って直登。(翌日日野さんいわく、「森本さんのアブミ借りて、えらい難しいとこ登りましたわ」、ズボンをまくり上げて「こんなんですわ」、ヒザ下、スネのあちこちがアザだらけになっている。)
東稜への下り口に大見さんと中級メンバー数人がいらっしゃって、大見さんいわく、「安部さんが今、東稜へ行った所」とのことで大分と混み合いそうなの
で、東稜は避けることにする。大見さんは先週尾テイ骨を打って踏ん張れないので今日は見回り役とのこと。「あと2週間ぐらいは養生しますわ。」
中央ルンゼをクライミングダウン、少々濡れているので乾いているところを選んで下る。
ローソク左凹角はザイルを垂らしたまま、3人が占領しているので登れない。西稜へ回って真新しいボルトのある逆層フェースにトライするが、もう少しで届
きそうではあるが自信がないので止めて、左リッジに変更。その昔、勝見友利子さんがリードしてくれたハーケンが1本見えるルートを登る。結構難しい。竹久
さんも苦労してザイルを引っ張って登る。隣にいる増山さん(中級コーチ)が「ザイル持たんとヌンチャク持て」と指導あり。もう、いつしか午後2時になって
いた。
茶店では森本さん、日野さん、生信さんたちがもうくつろいでいらっしゃった。冷たい缶ビールで竹久・中川はいのちの儀式、今日も生命よありがとうの乾杯。
キクラゲいっぱいのラーメンをいただく。いつ来られたのか、小島さんが内田さんにアブミの指導中。彼のテーブルには空になった宝焼酎のワンカップ2本、ビールロング2缶、森本さんが差し入れたウィスキー(これはまだ残っている)。
森本さんいわく、「小島君は偉いわ。これは森本さんから教わった技術だとかいって、やっていたけど、そんなことやったやろか、僕はよく覚えていないけど。彼はよく覚えているな」。
「そうやな。彼は教えるのは非常にうまいな」中川も相づちを打つ。
そのうち小島学校も終わり一緒に語る。
まだ5月とはいえ、真夏の雰囲気。ビールがうまいし、久々に少し登ったような気がした。
1998. 6. 2 中川 好治
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