南八ヶ岳半縦走
硫黄岳より横岳、赤岳 、
中岳を経て阿弥陀岳へ
中央自動車道より 新雪の赤岳
(2014年11月03日撮影)
大阪梅田(08:30)―大山崎(09:30)―茅野(14:30)-タクシ―美濃戸(15:00)―赤岳鉱泉(18:05)泊
大阪梅田阪急三番街の高速バスターミナルに着いたとき今回同行のBMさんは既にお待ちになっていた。
同行のもう一人のIKさんは名神大山崎バス停から乗車される。バスは名神多賀と中央道阿智パーキングエリアで各15分間のトイレ休憩をとりながら予定より少し遅れたがJR茅野駅のバスターミナルに着く。
大阪~茅野の運賃は往復10,000円ポッきりとかなり割安である。
大阪は雨だったそうだが茅野は晴れ、ラッキーラッキー晴れ男三人。すぐタクシー(5,320円)で美濃戸へ向かうが町を出るとすぐ八ヶ岳の連山が目に入る。運転手さんに車を停めてもらい写真を撮る。
麓の美濃戸口は木々が色付き始め秋の気配が濃い。 (標高1480mくらい)
気温22℃、風もなくおだやかな雰囲気にひたりながら栂の林を歩く。今日は標高1,480mの美濃戸口から予約してある赤岳鉱泉(標高2,240m)まで760mの高度を3時間で歩けばよいと楽観していた。
途中の赤岳山荘を過ぎたあたりで4駆の軽が停まり、若いお兄さんから「どこまで行くの」と声。車を見ると赤岳鉱泉と書かれている。「赤岳鉱泉」までと返事すると、腕時計を見ながら「すぐ暗くなるよ、最近は遅いんだよなぁ」と「予約してあるか?」と厳しくおかんむりのよう。
20分ほどヘッドランプを点けて足元に注意しながらも足早に歩き赤岳鉱泉に着く。お風呂は7時までなのですぐ入浴し、さっぱりして夕食(ビーフステーキ)をいただく。
(生ビール800円)
標高約2240mの赤岳鉱泉
(赤岳へは登り標高差約700m)
朝戸外は白く霜が降りているが室内は12℃くらいありシャツ一枚でも暖かく過ごせる。
赤岳鉱泉(06:40)―硫黄岳(09:00/20)―横岳(11:05/12:05)―赤岳頂上小屋(14:20)泊
スクランブルエッグと味噌汁の朝食がおいしい。食後ゆっくりしたので鉱泉を最後尾で出発。
屹立した横岳大同心を眺めながら樹林帯の中をジグザグに登り、赤岩の頭に出るとそこは大展望台である。
風が冷たいが気にせず真っ白の雲海から頭を出すまわりの山々を眺める。硫黄岳の爆裂火口は数百メートルの断崖がお鉢を造っている。
火口の端まで行くと横岳に隠れて見えなかった、憧れの富士山が横岳の左稜線の向こうに出現する。
今日は雲海が低いので富士の中腹まで見えており大きいピラミットだ。
硫黄岳は稜線も広く安定した山歩きができ、夏は高山植物のお花畑が広がるところ。
秋山ではコマクサやチングルマも赤く紅葉して色を添える。樺の黄色、ナナカマドは赤い実をつけ葉を赤く染める。
歩を止め大同心を眺め、ロープやクサリ場を慎重に進むと岩場の核心部(カニの横ばい)だ。
大同心
落ちたら最後、震えながら通過すると横岳(2,829m)の道標の立つ奥の院。ほっとしてお昼休み1時間(気温は15℃)。
南東に富士山、北東に浅間山、勿論北アルプス、乗鞍岳に御嶽山、中央アルプス、南アルプス、山梨の山々のパノラマが広がる。
横岳の岩場を通過してほっとする間もなく、赤岳の登りも岩登りがつづく。
赤岳への登り道
赤岳
よれよれになりながら赤岳頂上小屋に着く頃、
一日中楽しんだ展望も下から湧き上がる雲にはばまれ、富士も姿を消した。
今日の夕食は5時半からハンバーグ。
宿泊者9人だけ。
赤岳頂上小屋(06:30)―中岳(07:35/45)-阿弥陀岳(08:30/50)―御小屋尾根-美濃戸口(12:20)―入浴昼食―(14:47)―バスー(15:32)茅野(16:00)―大山崎(20:40)―大阪梅田(21:25)
朝方寒く毛布を二枚かぶる。夕べ7時から寝たので一回目に目覚めたのは12時過ぎ、5時起床。二重になったガラス窓から日の出前の赤い輝きが見える。5:39太陽が雲海の上にまばやくばかりの光線を放つ。逆光に富士は雲海に浮かび数日前の初冠雪が白く見える。
体調、天気が悪ければ文三郎尾根を行者小屋へ下山の計画であったが、両方とも良好のため予定変更。
山頂直下の急な岩場を下り中岳を経て阿弥陀岳へ登る。下ってくるおばさん達が
「すばらしい眺めですよ」と私たちに話しかけてくる。
そうでしょうよ、私たちも今朝赤岳頂上で雄大な展望を堪能したんだから。
阿弥陀岳からの眺望は間違いなく感動する。
昨日歩いた縦走路が手にとるようだ。
硫黄岳の柔らかな丸い稜線、横岳の荒々しい岩稜、赤い岩肌の赤岳が眼前に展開する。
ほとんどの登山者は中岳のコルへ引き返し行者小屋経由で下山するが、私達は御小屋尾根を下る事に挑戦する。西ノ肩(摩利支天)への上り下りがスリル満点、そこからの崩れたガレ場(危険地帯)も慎重に這松に乗ったりつかまったり浮石に滑りながらも無事に通過。後は樹林帯のゆるやかな尾根を縦走の完結に向かい進む。
美濃戸山荘で入浴、乾杯。帰りのバスも順調であった。
秋空に 岩峰そびえ 八ヶ岳