なにわ七低山めぐり
日本の山の中で標高の高い順は
①富士山(3,776m)
②北岳(3,192m)
③奥穂高岳(3,190m)とつづくが、
では
低い順はというといろいろ紛糾している。
自然地形の山だけなのか?
人口の築山も含めるのか?
地形図に載っている山か?
などなどと。
山とは、「平地より高く隆起した地域」(広辞苑)
国土地理院の1/2.5万 地形図に載っている山では、
① 天保山(4.53m/大阪市港区/人工の築山)
② 日和山(6.05m/仙台市宮城野区蒲生/人工の築山)
③ 弁天山(6.1m/徳島市方上町弁天山/自然地形の山)が標高の低い順で、自然地形の山では弁天山が日本で一番低い山である。
(国土地理院認定)
天保山(地形図で日本一低い)
日和山(元祖日本一低い)
弁天山(自然地形の山で日本一低い)
蘇鉄山(一等三角点のある山で日本一低い)
国土地理院の地形図に山名が記載されるには、
①地元で山名として知られており
②自治体で公式に山名使用
③その山の名称として妥当であれば
OKとなるそうだ。
「大潟富士」
海抜0メートルの山
大潟富士大潟村のほぼ中央、みゆき橋のたもとにある「大潟富士」。大潟村は湖(八郎潟)を干拓してできたため、村全体が海より低い、海抜ゼロメートル以下になっています。 この大潟富士は高さが3.776メートルで、頂上がちょうど海抜ゼロメートルとなっている「日本一低い山」です。頂上からは広大な田園風景や大潟村ソーラースポーツライン等を眺めることができます。
一風変わった「富士登山」はいかがでしょうか。
山のふもとには登頂者名簿も用意されています。(引用)
1 鶴見新山 標高39m
2 蘇鉄山 標高6.85m
3 聖天山 標高14m
4 茶臼山 標高26m
5 昭和山 標高33m
6 天保山 標高4.5m
7 新夕陽ヶ丘 標高25m
鶴見新山は大阪市内最高峰だそうで、別名「鶴見富士」と呼ばれており、人工の築山で中身はごみと土だ。
五月なのに夏のような暑い日差しが照りつける。
広い広い鶴見緑地の東の端に鶴見新山があるのだがそこから一番遠い西駐車場(350円/h)に止めてしまった、暑い。
登山と緑地散策、往復5kmを早歩きで一時間の行程だった。
堺市のこれまたひろーい大浜公園で駐車場の係りをしておられるシルバーボランティアのおじさんに“蘇鉄山はどこ”と伺うと松の植わった高みを指差された。その頂に上がれども何の表示もない。
おかしいなあ。仕方なくメインエントランスの方へ行くと猿池がありたくさんの猿が飼われている。
しばらく猿の動きを観察する。
横に公園の案内板があり蘇鉄山の位置をちょこっと見る。その方角へ向かっても見つからない。
山と云っても低すぎて見えず“どこだ”ウロウロしてしまった。もう一度案内板を探し、こんどは正確に位置を確認した。
プールの裏手に蘇鉄が植わった丘があるので多分これが目指す蘇鉄山だろう。
20歩も歩めば頂上だ。看板に「一等三角点のある日本一低い山」とある。
大阪府内全部で5箇所しかない内の一つと貴重品だ。この三角点を後生大事にもコンクリートの枠で囲ってあった。
蘇鉄山は1879年(明治12年)、砲台跡に公園が整備された時、見晴らしの良い展望台として築かれた。
登山認定証は南海電車堺駅南口前の神明神社でいただける(無料)
お賽銭はご自由に。 大浜公園駐車料金/h 200円
天下茶屋の聖天さんとして多くの人から信仰されている大聖歓喜天正円寺表参道の50段の急な石段を上がれば本堂がある。
本堂前には樹齢80年の大木の桜が2本あり、境内は3千坪と広い。本堂正面に聖天山山頂の道標が立つ。
石像品も多く、中でも聖観音菩薩像は特に美しい。
西海を望見しうる老樹の茂る静かな景勝の地と説明があるように昔は良き所だったのだろう。
公園が工事中のためフェンスで囲われて入山できず残念。
2013年11月23日(土)
再訪しました
河底池に映える茶臼山
和気橋
通天閣も近くです
和気橋を渡ればすぐに登山口
史跡 「茶臼山と河底池」 の道標が立っています
一分も登れば山頂に着きます。
木々に囲まれ、残念ながら展望はありませんでした。
中華料理店で遅い昼食をとり大正区の千島公園に向かった。
千島公園の中心、港の見える丘は万国博(1970年)当時、地下鉄工事の残土などダンプカー57万台の土砂で造られた人工の築山である。
アークトセカという菊に似た黄色の花咲く遊歩道がらせん状に3本ある。
このゆるやかな坂道を登れば(結構しんどい)ぱっと視界が広がり、港大橋、なみはや大橋が目の前に見える。
六甲山もその奥に見えるはずだが今日はかすんではっきりしない。
ぐるりと展望グッドなすばらしい山頂である。
天保2年(1831年)に安治川の大掛かりな川ざらえによって積み上げられた土砂が、高さ20mの小山となり桜や松が植えられ「浪華の新名所」として当時はたいへんな賑わいだったそうだ。
時代は下り、築港の埋め立て工事などで山は削られ、現在は標高4.53mの山となった。“ここは山なの?”と言いたいのが率直な感想である。
「登山証明書」を喫茶店「山小屋」にて10円で発行との表示があったので、行ってみたが本日は閉店との札が既に掛かっていた。(午後四時)
7低山めぐりの締めくくりに夕日を見る丘に登った。
「新夕陽ケ丘」は大阪港の北に埋め立てられた人工島「舞洲(まいしま)」に築かれた人工の山である。
「夕日百選」なるものがあり日本各地で夕日の美しさを競っているが、大阪は古代から夕陽をながめる景勝地として知られていた。
和歌の「なにわ」にかかる枕詞の一つに「押し照る」があり
おし照るや なにわの崎の春なれや 葦の若葉も霞み居にけり
契りあれば 難波の里にやどり来て 浪の入日を拝みつる哉
四天王寺の西側に夕陽ケ丘町があり古代ではこのあたりが海岸線で、美しい夕日が見えたのであろう。
「新夕陽ケ丘」は芝生がしきつめられた洋風の姿で、今や和歌の感覚は全くない造りだったが360度のパノラマには大満足する。
5時前と時間的に少し早い夕景だったが夕陽が海面をキラキラと赤く染め印象的であった。
弁天山(6.1m/徳島市、自然地形の山で一番低い山)には4月、登頂済である。