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高倉富士(烏ヶ仙)

(からすがせん)
標高 701.2 m

2004年03月13日(土)
 快晴 気温19℃

 美作津山市の高峰-烏ヶ仙は屋根型の頂を持ち、堂々とした「ふるさとの富士」である。

烏ヶ仙を下高倉より展望

 ★ 尼崎(06:40)-中国道-(2.800円)津山IC(12:15)-JR院庄駅(09:15)-高倉登山口(10:30) 片道走行距離 150 km

88歳で烏ヶ山への登山道を整備

 「烏ヶ仙は地元の高田小学校や高倉小学校の校歌にも歌われていて、以前はよく登ったものでした。昔あった大佐々神社からの登山道が荒れて通ることも出来ない状態になっていたので、自分が元気なうちに整備して再び多くの人に登っていただけるようにしたいと思い、地元の人と協力して5ヶ月もかけて完成させた」といわれる福田薫さんを登山の前にお訪ねした。

 1915(大正4年)生まれで米寿を迎えられたとは思えぬほどお元気で「先週も寺木山展望所まで登って帰るつもりが天狗寺山まで歩きました」とのこと。ご家族の方が心配して携帯で連絡を取り下り茅峠まで車で迎えに来られたとも。こんなお元気にあやかりたいものだ。

 ★ 歩行距離 8.5 km 歩いたルート

 登山口、大佐々神社(11:05)-大日如来石(11:25)-寺木山展望所(11:40)-鮒ヶ乢(12:05)-高倉富士山頂(12:40/13:00)-コル(昼食)(13:15/14:10)-天狗寺山(14:40/15:05)-下り茅峠(15:25)-北登山口(15:35)-大佐々神社(16:40)
★ 歩行距離 8.5 km 歩いたルート

★ 登山口の標高は240m

 福田さんはきつい坂の所はロープが有るけど、登山口に杖をおいているので持って行きなさいとおっしゃって下さる。

登山口の道標と杖




 畑仕事中のおばさんに神社への道を尋ねながら登山道の始まる大佐々神社に着くと、児童を10人ばかり連れた青年が車一台を道脇に置き、車2台に便乗して出発するところだった。問えば「下がり茅峠(さがりかやとうげ)まで行って天狗寺山から戻る」とのこと。

 私たちも車2台で来ているので同じようにしょうとしたが、しばらく走ると道幅が狭くなり「通行禁止」の立て札を見て引き返し全行程を歩くことにして、出発する。










寺木山展望所
 ブルドーザーで新設された道は緩やかに登る。寺木山展望所は高倉の里が見下ろせる所に作られていた。前出の福田さんの邸宅もくっきり確認できる。


すばらしい道標です

 切り開かれた展望の良い鮒ヶ乢(ふながたわ)でも小休止。ここからがたいへん急な坂道となる。山に慣れた人ならさほど気にならない道ではあるが慣れぬ人の為にトラロープが延びている。

トラロープの設置された急坂

 慎重に一歩一歩登れば烏ヶ仙城の本丸があった山頂に着く。

高倉富士山頂

烏ヶ仙城跡 (山頂)

 戦国時代に枡形城や利元城の城主として活躍した福田氏の一族の持ち城であったと伝えられている。

烏ヶ仙の由来について

「作陽詩」所収の「医王山記」の中に「苫田郡に烏の山があって薬草がはえている。八咫烏を神として祭っている。麓には硫黄山が有り塩湯が湧いている」と書かれている。

天狗寺山をめざして

 津山市と加茂町の境の山-天狗寺山への縦走路をしばらく進み、日が当たり風の避けられる絶好の場所で座り込みお昼休み。

天狗寺山の云われ

 昔、「天宮寺」という寺があり「天宮寺山」といわれていたが、いつの間にか「天狗寺山」となった。三本足の烏が住んでいた伝説のある「烏ヶ仙」の奥に在る山なので「烏天狗」を連想する人々がいたのもうなづける。

 自然林も多く残り、落葉した時季でも気持ちよく歩ける。植林は檜ばかりで杉はほとんど見られない。

 山頂の手前も、ひどく急な坂道を100mほど我慢強く登らねばならない。


二等三角点のある天狗寺山山頂

標高 831.8 m

 津山市の最高峰天狗寺山(てんぐうじさん)の山頂に飛び出すと大きなパノラマが広がっていた。刈り取られた笹が柔らかで、雲ひとつない青空をながめると、思わず寝転びたい誘惑にかられる。

 中国山脈の山々が雄大だ。南側には高倉富士と津山盆地の町並み、北側右には山形山から奈義山が続きそのはるか奥に見える白く雪をいただく氷ノ山、左には泉山北部の山々が白銀をかぶっている。



烏ヶ仙(左角が本丸跡)を展望


下り茅峠より林道を下る


強い生命力

 下がり茅峠(さがりかやとうげ)から大佐々神社へは舗装された林道を歩く。地図上ではまだ点点の道表示であるが峠にNTTドコモのパラボラアンテナが建ち立派な道ができている。

 早春のうららかな天気だ、スグイスのさえずりを聞きながら、ゆっくり歩いてもどる。神社前で帰り支度をしていたら4-5人の連れ立った小学生達から「山登りですか」と声がかかる。そして「昨日、登りました」とも。私が「卒業記念ですか」と聞くと「はい」と楽しそう。

 道ができたおかげで子供達も山に自然に触れることが出来るようになったのだ。

感謝


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