檀紙富士(六ツ目山)
御厩富士(みまやふじ)
だんしふじ むつめやま
標高 317m
北西の国分寺町、神崎池より
右より
「六ツ目山」「伽藍山」「狭箱山」
だれが名付けたか「おむすび山三兄弟」が並ぶ。
写真右より長男「六ツ目山」317m、次男「伽藍山」(がらんやま)216m(四等三角点)、三男「狭箱山」(はざこやま)185m。
六ツ目山の北に高松市御厩町、北東に高松市檀紙町があり「檀紙富士」とか「御厩富士」と呼ばれている。
高松自動車道の檀紙ICを下りる。
前方には、すぐ富士と判る「おむすび山三兄弟」が見える。
南麓へまわり見事な三角錐の「六ツ目山」を眺める。何枚か写真を撮り登山口の「高松変電所」へ向かつた。
変電所の北側に沿った道を西へゆるい坂を進むとすぐ右手に墓地があり、手前に右へ入る道が高圧鉄塔への監視路も兼ねている登山道である
みかん畑横の梅花は九分咲きで良い香が漂う
だ丈夫かな、この道は?
車を道脇に駐車して、ゆるやかな道を進むと8分ほどで第一鉄塔に着く。クリ、コナラの落葉樹林が展望をさえぎるが、御厩の池などを見ることができる。この時季、目を楽しませてくれるものが少ないが冬枯れの木の下方に万両がかわいい赤い実をつけている。
第一鉄塔
都会の我が家の万両の実は既に野鳥に食べられてしまっているのだが、ここにはまだ残っているところをみると他においしい木の実があるのだろう。
道はここからゆるく下りながら山頂から東へ張り出した尾根へと回り込む。5分くらいで第二鉄塔に着くがここも好展望とは云えなく、下に見えるうねった高松自動車道が「六ツ目山」と「伽藍山」の間を貫く様子が想像できる。
四国電力のなだらかな監視路は第二鉄塔まで、ここからは尾根を直線的に登る道となる。
35度から38度の傾斜の尾根なら大抵ジグザグに山道が切り開かれているのだが、ここはほとんど直線である。露出している岩でもあれば足場になるのにそれも無い。積もった落ち葉に足を取られないように気を付け、両脇の木につかまりながらでないと登れない。
標高200mから250mのあたりはもっとも傾斜が大きい。バードウオッチング用の双眼鏡を首に掛け左手にデジカメを持って歩いていたが、とうとうザックの中にしまった。
約35分で山頂に到着する。落葉樹に囲まれ展望があまりきかない。
讃岐の八富士はこの檀紙富士で全山登れた。あと香川県のふるさとの富士としては小豆島富士を残すのみ。
行程 : 登山口(12:25) ~ 山頂(13:00/15) ~ 下山(13:35)
おむすび山三兄弟の「伽藍山」「狭箱山」の両山とも登山道があり登ることが出来る。また「六ツ目山」のすぐ南隣に堂山(ビークを三つ持つ山)があり、六ツ目山より縦走できる。そして、この三山は共に頂上からの展望がすばらしい。
東麓の中間町より
ものがたり
六ツ目山のてっぺんの堀のはたに年とった夫婦と娘が住んでいたそうです。娘はその堀で3びきの魚をかっていたそうです。
娘は,その魚をかわいがっていたそうです。ところが,どうしたわけか,この夫婦が,娘をころしてしまいました。すると,魚も次々としんでしまいました。
これは,山の神のたたりかもしれないと考え,この山を「むすめ山」と呼ぶようになったそうです。それから,六ツ目山になったそうです。
またもう一つは,この山の上で親子3人と,魚が3びき住んでいたから,人間の目の数も,魚の目の数も6つだから「六ツ目山」というようになったともいわれています。
昔,ある寺のおじゅっさんが,年の暮れに,だんかの法事に行って,晩おそくに一人で山道を帰っていた時のことです。
道のはたで6~7人のきこり風の男たちが,火をもやしながらそのまわりにすわりこんで,お酒を飲んだり,けものの肉をやいて食べたりしていたそうです。おじゅっさんはお酒が好きで,そのばんは寒かったので,ついその男たちの仲間に入れてもらったそうです。
そして,ごちそうになっている時ふと見ると,向こうがわで座っている男が,赤くなっている鼻の先をしきりになでていると思ったら,なでるたびに鼻が1寸,また1寸とじゅんじゅんに高くなって,しまいには,2尺ぐらいになってしまったそうです。
おじゅっさんは,これは天狗たちの集まりだと気づき,後も見ずに,お寺の方に向かって走り出したそうです。てんぐたちは「アトハ・アトハ・・・」という笑い声をたてて後ろから追いついてくるそうです。
おじゅっさんが,だいぶん走ると,笑い声がしなくなったので,やれやれと思って歩いていると川があるところに来たそうです。すると,そこでも,7~8人の男たちが火を燃やしながらお酒を飲んでいたそうです。
おじゅっさんは,一服しようと仲間に入れてもらって,ごちそうになりながら,さっきの話をしたそうです。
すると,「どうじゃ,このおらの鼻とどっちが高かったかのう。比べてくれんかのう。」と言って,鼻をつまんでひっぱりだしたそうです。すると,みるみるうちに鼻がのびて2尺どころか3尺にもなったそうです。おじゅっさんは,腰がぬけるほどおどろいたけれど,尻をまくりあげていちもくさんに逃げたそうです。後からは,「アトハ・アトハ・・・・」という天狗の高笑いが聞こえてきます。
おじゅっさんは,とうとうしんどくなってへたりこんでしまい,目をとじて「ナムアンダ・ナムアンダ・・・・・。」と口の中で念仏をとなえたそうです。
それから何時間かたって,まわりが明るいような気がして目を開けたら,六ツ目山の頂上だったそうです。おじゅっさんは,あわてて自分の寺にもどったという話です。