平 屋 富 士
標高 570 m
(ホサビ山(750m)の一峰)
2000年09月17日
快晴・気温―山頂24℃
「平屋富士」(標高570m)は美山町(京都府北桑田郡美山町:美しい町名である)にある。
美山町は由良川源流の山深い里(京丹波の里)で、京大の芦生演習林(原生林)や伝統的建造物群保存地区(萱葺き屋根)のあるところでも有名。
美山町へ入るには京都から国道162号(周山街道)で深見トンネルを抜ける、あるいは国道9号線の園部から府道19号線で神楽坂トンネルを抜けるルートがある。
美山町に入り、162号線と19号線の交叉点が安掛(あかけ)という地名で、ここに「ふれあい広場」があり「美山ふるさと館」や広い駐車場がある。
私は神楽坂トンネルを経由し美山町に入った。
家から約2時間のドライブだ。そしてこの広場に駐車する。
「平屋富士」は広場から北を見ると、まん前に美しく、左裾横を南へ流れる由良川にその影を映す。
安掛から由良川を少し下流に行くと平屋地区(地名・平屋富士の名はこの地名から来ている)で由良川に架かる橋から眺めると富士の全体像が見える。
全体像というのは平屋富士が独立峰でなく右奥のホサビ山(750m)の一峰であることが見えるのである。
広場を出発
(09:20)由良川に沿い(府道19号線)を200mくらい遡り右折由良川を渡り、すぐ由良川に注ぐ支流に架かった赤い橋を渡る。まっすぐ平屋神社の参道となり階段を上がれば正面に小さな本殿があるので、いつものように元気で暮らせるようにとお願いする。
見付けにくい登山口
登山道の入り口(標高230m)は、神社に向かって左手にある社務所のような家の右手から、茂った笹をかき分けて進むと道が現れる。
松、潅木、杉、ヒノキ類がごちゃ混ぜに茂る山である。
山道に入ったところは杉の植林地帯で薄暗くていい気持ちがしない。小学生も学校の行事で登るくらいの山なので道は明瞭に付いているが、最近この富士には人が入った匂いがしない。
道は歩き始めてしばらくすると、急坂となる。岩や木の根も露出しておらず、2―3日前の雨で急坂の山道は湿っており滑りやすい。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるが、まだまだ暑く(登山口27℃)、30分で少し開けた所に来たので休憩する。
振り返れば平屋の村が箱庭のように見える。
この付近から山頂まで雑木の明るい道となるのだが、今度は別の原因で格闘することとなるのだった。
女郎蜘蛛に困った
顔にベタっと蜘蛛の巣がくっつく。あとずさりして顔に張り付いた巣を取り払う。顔や頭髪にくっついた巣はうまく取れなくて気持ちが悪い。巣巣巣で、ここから大変である。仕方なく両手に木切れを持ってそれを顔の前で立てて、巣を振り払いながら歩かねばならないという状況が山頂まで続いたのであった。蜘蛛さんにとっては縄張りを侵入者に荒らされて死活に関わるところだったろう、「ごめんなさい」。
女郎蜘蛛(黄色と黒の縞模様)の巣は一枚でなくその前後に巣を張り何枚も蚊帳みたいになっており、一ヶ所で1-2mも続くと本当にうっとうしい。
でもこの蜘蛛の巣を芸術品に仕上げる方法があるという。
まず雪スプレーをかける。次に蛍光スプレー、スプレー糊をかける。これを透明のプラ板に貼り付ける(紙をすくように)。部屋を暗くしてブラックライトで照らすと幻想的らしいが、むろん私はまだ試したことはない。
とにかく山登り中にそんな余裕など無い。
(10:30) 山頂に着く
急坂の連続ではあったが、30分くらいおきに割となだらかな所があり、歩きやすく感じた。
山頂には「山名」と「美山五山」と書かれた標柱が立つ。
(1997年高校総体登山大会を記念して小学校区毎に選ばれた山の一つ)
山頂は高木で覆われているが、平屋方面のみ展望が効くように木が伐採され展望台(丸太をロープで組み上げた物だが、腐食してばらばらになっている。)の遺物がある。
蝉がジージーと、かぼそく鳴く、私の他に誰も居ない静かな山頂で秋の物思いに耽ると寂しくなるので20分ほどで山頂を後にする。
(10:50) 下山開始
登りで心配していた通り、下りで二度も転んでしまった。 それからは、慎重に歩を進めたので登りと同じくらいかかり11:50分ふれあい広場に着いた。
現在の「平屋富士」の山頂には小さな祠一つ無いが、その昔には山麓の平屋神社の奥宮が置かれ崇拝の対象とでもなっていたのだろうか?
だが今も村人達は「平屋富士」と呼びふるさとの富士は伝えられている。
美山五山
美山町には5つの小学校があり各小学校区毎の山を決めている
平屋小・・・・平屋富士570.0m
大野小・・・・長老ガ岳916,9m
知井小・・・・八ヶ峰800.1m
鶴ヶ岡小・・・頭布山871.0m
宮島小・・・・城山403.7m
下山後、この集落の全景が見える「西の山」に登る。
(関電の巡視路を約20分で登る事が出来る)
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