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久しぶりの藤内壁


とき: 1999年7月17日(土)~18日(日)
ところ: 御在所・藤内壁・前尾根
パーティ: 中川、日野


 当初の計画ではたくさん行くはずだったが、いつのまにか日野さんと中川の2人になってしまった。

 8:00ごろ、日野さん、中川宅に寄っていただき茨木ICより名神に乗る。竜王より477号線へ。私は車のことを知らないが、477号線も国道で標識をうかつに見失うととんでもないところにつっこんでいくらしい。
土山で昼となり、国民宿舎「かもしか荘」で昼食。カツ丼800円。

 14:00蒼滝駐車場

今日前尾根を登って降りてこよう、という計画で14:30出発。日向小屋を経て藤内小屋で休憩。足を引きずって歩いている学生あり。問えば、中尾根で滑落したという。
「声が届かず、緩んだザイルのまま登っていたら落ちてしまった」
京都の学生だとのこと。
「骨は大丈夫ですか」
「まあ、折れてはいないと思いますけど」
「早く降りて病院へ行ったらどうですか」
とすすめたが、仲間がまだ登っているらしく、一人では降りられないみたい。

 兎の耳では2~3人、目の前の岩塔で登っており、テントも2張りぐらいあるのみ。大汗をかいて藤内沢へ入る。
前尾根の取り付きには先行パーティあり。急いで支度をし、P7クラックに取り付く。後続もあるようなので、急いで登る。
P6は楽しいチムニー、日野さんは、さすがに慣れていないチムニーだけあって、「こんなの登れない」とおっしゃっていたが、やがて背中と腹を反対にしてなんとか抜けてこられた。それはフェース登攀に似て、つらいで。
P5は比較的長い40mいっぱいの凹角。日野さんが楽しんでリード。
先行パーティは4人(男3、女1)で、達者な若者たち。しばらく休憩なさっていたので先行を譲っていただく。
P3の3本クラックを左から抜け、P2は日野さんが楽しくリード。そしてコルに出て終了。P1のやぐらは今回パス。18:30夕闇の訪れる前にと、急ぎ下降。19:00ありがたい、一般道に出た。

 久しぶりの藤内壁、前尾根だったが、いい汗をかいた。
暮れて藤内小屋、19:30缶ビール(L=500円、R=350円)をいただき、しあわせ感に浸る。
「ああ、しあわせ!」
「そうか、中川さんはいいな」
日野さんは手放しで幸せ感に浸れないという。
「私は妻より早くは死ねない」
だんだん体力の衰えていく奥様の介護が彼の背負った運命の仕事だ。
「ごめんなさいね」
飲みたいだけ飲んで、いつ死んでもやむをえないと思う私と、彼の置かれた立場は異なる。

 20:00前に駐車場に帰着。隅にテントを設営し、ダンマットを敷き、蚊取り線香を点け、野外宴会。なまぬるい缶ビールはうまくない。
妻から、森本夫妻の、穂高屏風岩を登って無事下山の連絡が入る。うれしい。これでゆっくり休める。夜間雨あり、外の荷物をテント内に入れる。



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