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伯耆富士(大山)


1996年7月14日
  憬れの山「大山」

  山に登っていると次にはどの山に登ろうかと考えるもので、私にとって憬れの山は一番に「富士山」次に「白山」と「大山」でした。

 「富士山」には昨年9合5勺で高山病で完登を断念。「白山」にはまだ登るチャンスがやって来ない。

 ある日、ある新聞旅行会の大山登山の広告が目にとまった。弁当付きで7,500円、早速電話するとまだ空きがあると言うので予約する。

 7月中旬でまだ梅雨は明けていない。7時15分梅田茶屋町を出発したバスは渋滞もなく中国道を突っ走り、米子道に入る。蒜山SAに10時5分に到着、昼弁当の休憩を約1時間とり大山寺駐車場に11時30分に着く。

 以前は車に乗れば必ず車酔いをしていたが、道路の良くなったこととバスの性能が向上したので今日は気分が良い。

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「伯耆富士」とも「出雲富士」とも

 大山は「伯耆富士」と呼ばれ有名であるが、島根県側の松江方面から遠望すると双曲線を引いた美しい山容を見せるとかろから「出雲富士」とも言われる。

  「大山」の噴火は100万年くらい前から始まり最後の噴火から1万年以上たっている。
エネルギーを使い果たし死火山となりそして今は大崩壊期にあり、いずれ崩れ去る運命にある。それは数百万年以上も先のことであるけれども。

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蒜山SAにて

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大山寺

  山岳仏教の聖地として鎌倉時代に栄えた頃の大山寺は寺坊106坊を数えたそうであるが、明治の廃仏毀釈で一時廃絶した。そのご復権したもののかっての隆盛は戻らなかった。

「夏山登山道」の往復

  梅雨前線は日本海まで北上しているので北ほど天気が悪い。車中から見えた「大山」も、たれこめた雲に隠されここからは姿が全然見えず、さらに雨は今にも降り出しそうな雲行きである。

  とにかく地図をもらい、②のワッペンをつけ(2号車)、行程の説明を受け、三々五々に出発する。私は一人で団体に参加したので全くマイペースで歩こうとゆっくりと歩きはじめる。

 500mも行かないうちに、やはりポツリポツリと小雨が降り始めた。でも私は晴れ男なので多分大雨にはならないと思っていた通り、4合目あたりでで止んだのでカッパを脱ぐ。

  「夏山登山道」はよく整備された道で、迷うことのない一本道です。90%は階段道、高低差は1200mあるが距離は2.5kmしかなく、急登の連続で苦しい登りだ。 夏山にはレモンの輪切りを持参して、小切れをスッパーと食べる。そうすれば又元気を取り戻せる。

中腹のブナの森と

山頂近くのダイセンキャラボク純林

 大山の安山岩はもろく山頂付近は崩壊がはげしいが、中腹には中国地方随一のブナの森がある。霧雨にむせぶブナの森の中にいると身も心もスッキリとする感じがする。ここで印象的な写真を一枚残そうと撮ってみたものの、私の技量では平凡な物しか取れなかった。

ブナの森

 8合目を過ぎると、坂はゆるやかとなり特別天然記念物「ダイセンキャラボク」の大群落がある。ハイマツのように丈の低い針葉樹で地上に一面に広がっている。この樹の保護のため登山道には木道が造られている。大山の保護する会が「一木一石運動」を10年にわたり続けている。昨年春頃から一部にこの木が枯れ始めており心配されている。

 小雨のため展望はきかないが、6合目非難小屋のあたりで、下から湧き出す白い層雲の切れ目からときおり姿をのぞかせる北壁の大崩壊や剣ガ峰の先峰、三鈷峰(1,516m)の雄姿に「あ、見えた!」と思わず声を出す。

北壁の大崩壊や剣ガ峰の先峰

山頂で大雨に雨宿り   

 彌山頂上には13時50分(登山口より約2時間)に着く。 雲で見え隠れする「剣ガ峰」へのキレットは、剣の刃のように両側に崩壊しておりすざましい。

 北側は雲海、南の展望はふもとの町がうっすらと霞む程度。 晴れておれば、わずか15km先の日本海も手に取るように見えたのになあと想像する。

 祭られた小さな祠の横で10分くらい思いにふけっていると、ザーッと大雨がきたので避難小屋(立派すぎる)で雨宿り。(後の号車の人達は今から着くので大変だ。)

 小降りになるとみんな下山を開始する。シトシト雨も善しと歩く。ブナ林は霧の中でこそ美しいのだと心に言い聞かせる。雑木林には、きっとキノコがあるのだと探しながら歩くもドクベニタケ、イグチを数本見つけただけ。

 足元の悪い中、よそ見をしながら下山したので下りも1時間50分かかった。バスの出発まで少し余裕があったので空腹をいやすため名物の「大山ソバ」なるものを駐車場近くの食堂で食べる。

 今日は雨と汗にグッショリ濡れたものの、憬れの「大山」に登れたので大満足であった。

 しかし帰りのバスに酔ってしまいまいった。


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