綾上富士(高鉢山)
標高 512 m
登山口に立てられている説明板には次のように記されている。
「さぬき百景で名高い高鉢山は標高512m。一の鳥居から頂上に至る間にはたくさんの桜樹があり、登山路の七曲りを登りつめると、かって航空灯台があった頂上に達します。
山の中腹には県下唯一の風穴があります。
かって蚕卵紙、うど、みかん、豆等多量の種子貯蔵所として、大正の初め白亜の殿堂が建てられました。」
さぬき(香川県)はすこし平たいお椀を伏せたような形をしており、東西南北のほぼ真中に高松空港がある。滑走路は東西にレイアウトされており、西への延長線上8kmくらいの所に高鉢山がある。
綾歌郡(あやうたぐん)綾上町(あやかみちょう)の西端にあり琴南町に裾野を広げているところから、「綾上富士」の愛称で呼ばれている。
高松空港を離陸したばかりのジェット機が上空低く飛ぶのが見えることだろうが、私の滞在中には一機も飛ばなかったようだ。
登山口へ入るのに金毘羅さんを訪ねた後だったので、国道32号~438号で琴南町を経由してして県道17号線を経て林道を高鉢山中腹の登山口へ向った。首切峠を越えしばらく行くと大規模な養豚場(高鉢山西側斜面直下)がある。
養豚場の方は『お地蔵さん(文政11年(1828))からの尾根には山頂への道があったみたいだが、今は誰も使わず道は消えて無い』と言われる。
こちらからの道はあきらめ、養豚場から細い道を北へ回った所にある綾上町キャンプ場の方へ車をまわして管理棟横の駐車場に停める。
まず駐車場のすぐ横にある風穴を見物に行く。道から20段くらい上がった所の風穴は高い石垣で囲まれ新調された屋根が付けてある。近づくとひんやりと冷たい風が身体に当たる。
面白そうに子供達が『冷たい』と言葉を交わしている。
夏でも10~12℃くらいの冷気が噴出すというから、すばらしい天然の冷蔵庫だ。
夏はいいだろうなあ、大汗をかいて登っても下山後この風穴で涼めば極楽極楽。
オオイヌノフグリなど草花が咲き始めた道を、駐車場から少し上がればキャンプ広場、バンガローが点在している。ここからの山道は丸太で階段状に整備されており頂上まで約15分のハイキングが楽しめる。
何段くらいあるのか試しに数えてみようと思いつき百歩づつ指折り数えて531歩だった。
綾上町の紹介では「標高512mに合わせて512段ある」と後でインターネットで見ましたが確かにそのような数だった。
山桜はソメイヨシノより少し開花が遅いのでしょうか、開花の気配はまだまだのよう。山頂の桜の開花はいつだろうか?10本くらいある高鉢神社回りにある太い桜もまだつぼみ。
「春かすみ 空港みゆる 高鉢の山」
ヤマガラの鳴く三等三角点にハイタッチしてそよ風に春の息吹を感じつつ、しばらく阿讃の山並みを遠望する。
今日の宿、五色台にある国民休暇村で瀬戸大橋に沈む夕日をながめながら、讃岐富士パート5の余韻を楽しもうと車を向ける。
この言葉を目にしたのは初めてである。
灯台といえば、岬にあり沖を航行する船舶がその進路を確認するためにあるとだけしか知らなかった。
1971年まで30年間空の安全を守ってきたとあるが、航空機も灯台をあてにするのですね。