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中津富士(中津山)

なかつふじ(なかつさん)
標高 1,446.6 m
2万5千分1地形図名
 阿波川口 [南東]


林道池田・漆川線より展望

2006年11月10日(金)
  晴れ 23℃

中津祭り

(旧池田町史より引用)

 2006年(平成18年)3月、三野町、池田町、山城町、井川町、西祖谷山村、東祖谷山村が合併し、三好市となる。

  中津山は海抜1446メートル、池田町と西祖谷山村にまたがる霊山で、山容が富士山に似ているところから中津富土と呼ばれている。
この山は、中世以前から土佐街道が通っておりまた祖谷への主街道ともなり、伝説の山としても知られている。

  中津山は、650年前、黒沢長福寺(光明寺の前身)の龍骨和尚と松尾瀬戸佐久という山伏の二人が開山したと伝えられている。山の中腹には中津山光明寺(真言宗)があり、1973年(昭和48年)梵鐘・鐘・門が完成した。

  山頂には黄金池と呼ぶ池があり、澄んだ水面に夏はじゅん菜が浮かんでいる。お山に中津大権現と大明神がまつられ、農業の神として崇められ、戦前は女人禁制であった。


黄金の池

  山祭りは、旧暦4月23日の春祭りと7月23日の夏祭りがあった。夏祭りの宵は三好郡内はもちろん香川.愛媛.岡山からも信者や参詣人が集まり光明寺境内は文字通り善男善女で立錐の余地もなかった。夜半からの護摩供養は光明寺本堂において行われ、山伏たちが「ゴマ」をたき、真夜中先達山伏を先頭にほら貝を吹き鳴らし、六根清浄を唱えながら白装束の信者たちが、山頂に向かう。頂上で夜明けを待ち、ご来光を拝し、お池めぐりを終えて下山する。

  山登りの信者とは別に、寺の境内は朝までにぎわいがつづいた。朝になると参詣人が一斉に帰り、前夜のにぎわいはどこへやら静かな部落にかえった。

  1960年代(昭和30年代後半)の高度経濟成長期に、この山祭りもしだいにさびれ、現在は行われていない。

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出合 光明寺 林道、遊歩道起点 遊歩道 山頂 中津神社 登山道

(西祖谷山の田の内より登り約2時間くらいで山頂へ、下山は1時間20分くらい)

 行程: 林道登山口 ~ 山頂 登り&周遊 30分 標高差 70 m

富士をどこから展望するか 

 中津富士は独立峰なのでどこからでも展望できそうだが、麓の里からは周りの山が立ちはだかって見ることができない。

 「中津山の遥拝出来る黒沢の地に密壇を飾り」とその昔弘法大師が雨乞の修法を行った黒沢(くろぞう)の地からその端麗な容姿を望むことが出来る。
黒沢へ入る林道池田・漆川線を行くと、谷を隔てた右手に雄大に見える、池田町の最高峰だ。

(黒沢は盆地になっており、盆地の70%くらいが湿地になっていて、黒沢湿原と呼ばれている。野草百花、とくに自生の「サギソウ」が有名。)

光明寺にお参り


光明寺山門

 先ずは中津山を山号にいただく光明寺にお参りし、分岐まで引き返し松尾林道を経て車を走らせる。


(光明寺より遊歩道起点への道は荒れていて乗用車では難しいとのことだ)

 この林道も最奥の家を過ぎると未舗装で楽にはゆかない。わだちが深い所では車の腹をガリガリこする。出合(地図上の)から駐車場まで15kmもあり50分はかかった。




松尾林道

      

ぶなの林


山頂展望広場

周回の道


中津神社

 滞在時間の都合で山頂まで車で登る楽な富士めぐりとなった。
山頂の展望広場よりの山並み、色とりどりのみごとな紅葉を満喫しながらおむすびをいただく。 西から国見山とその奥に伊予の高峰、アンテナの林立している梶ヶ森、南東に矢筈山、寒峰が見える。
 広場の裏手に回れば烏帽子山、緑の芝生は腕山の牧場跡、すぐ眼下に錦秋の紅葉の名所-竜ヶ岳の荒々しい岸壁を見る。


東洋一の大岸壁、紅葉(竜ケ岳)


弘法大師像

一等三角点




標高1000m付近の紅葉

   


中津山 光明寺について

(秘境祖谷渓・大歩危七福神霊場パンフレットより引用)

  当山は弘仁九年(818年)の春、宗祖弘法大師四国錫杖の砌、天下は大旱魃により入畜を始め生物殊々く貧死の状態で天を仰いで雨を請いし時、時の帝弘法大師に雨乞を命じたり、大師、中津山大権現の霊験新たなるを感じ当地に参り中津山の遥拝出来る黒沢の地に密壇を飾り21日間の雨乞の修法を行い、満願の日になるや一天俄にかき曇り中津山大権現(倶利伽羅不動明王)出出現し大師の意を体し2夜3日に及ぶ慈雨をもたらし万民万物の生命を救いたり。

  大師中津山大権現の霊験いよいよ新たかなるを感銘し天長元年修法の地黒沢に一寺を建立し祈祷寺として全国各地より参拝者多く盛大を極めて居りしに天正年間兵火に罹り焼失万治元年中津山麓の当地に遷し再建現在に及ぶ。

  当山は修験.修法の道場とし山巌密教を象微する海抜1447米の霊峰中津山、山頂には本尊中津山大権現(倶利伽羅.不動明)を始め八大龍王を祀り黄金の池にはいつも満々たる霊水があり修行大師像を建立.行場には松尾瀬戸作大権現くさりの行場や蔵五権現を祀る二つの行場あり修法の道場とし又五穀豊穣、商売繁昌の心願成就祈願の霊山である。

  祭札は春は4月23日、夏は7月22・3日で全国各地より参拝者が後を絶たない。

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