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額井岳(大和富士)

標高 816 m


1996年09月16日 晴れ

 大和富士と呼ばれる「額井岳」は、前回紹介した伊賀富士こと「尼ケ岳」と同じ室生火山群の中にある。
近鉄大阪線の榛原駅から北東の方角にあり、香酔峠を挟んで西の「*貝ガ平山」や「香酔山」と向かい合っている。
 (*貝などの化石が出土する。)

どうどうたる大和富士の山容

東海自然歩道に沿って

 東海自然歩道は、明治の森箕面国定公園(大阪)から東へ東海道に沿って明治の森高尾国定公園(東京)まで環境庁が整備したもので約1343kmの距離がある。緑豊かな山間を縫って、文化財を訪ねながら1都2府8県を結んでいる。(近畿地区は、大阪ー京都ー滋賀ー奈良ー三重)
 箕面から北摂連山を貫き嵐山、鞍馬、比叡山、瀬田、宇治、笠置、桜井を経由し「額井岳」の南麓から室生ダムを通過し、室生寺、赤目渓谷、曽爾高原から前号で紹介した大洞山、尼ケ岳(伊賀富士)の三重県に入る。

 この東海自然歩道を2年間(100回)かけて歩く会があるが、サラリーマンの私にはとても無理なことで近場の箕面から青山高原までは15回くらいに分けて歩いている。
麓を通る東海自然歩道のことに脱線しましたが、額井岳の南麓に山辺村があり万葉の歌人「山辺赤人」の出身地と伝えられており、ここに晩年を過ごし、その墓がある。

「田子の浦に、
うちいでて見れば白妙の
富士の高嶺に雪は降りつつ」
赤人

 

route

玉立(とうだて)のバス停付近より

 さて、榛原駅から登山口まで歩いて約30分くらいなのだが舗装道路を歩くのは好きでないのでバスを利用する。
玉立(とうだて)のバス停で下車して香酔川の橋上から眺める大和富士は、ピラミダルな姿で私に早くおいでと呼びかける。東海自然歩道をしばらく行くと大きな欅の木がありここで東海自然歩道と別れ左への道を取る。

榛原駅ーー額井岳ーー戒場山ーー戒長寺ーー榛原駅

 山頂への道はいくつもあるが、地元の人に道を尋ねると十八神社からの道が一番良いと言われるので従う。不思議な名の神社の鳥居の前を少し西へ行った所に額井岳への小さな道標が立っている。
 ここから山道に入るのだが、ブルドーザーらしきもので山を2ー3mもの幅でけずられた赤土をむき出しににされた道で痛々しい。雨水は容赦なく土を流し去る。多分アスファルト舗装された林道になるのだろう。

  9月半ばとはいえ、すぐに汗が吹き出してくる。赤松と杉の植林を30分も歩くと西尾根の峠に着き一休み。
峠からは岩混じりの急坂となる。
富士と名の付く山の特徴で山頂に近づくほど傾斜がきつくなるが、この山も例外でない。

展望は期待できない

 峠までは展望が開けた所もあり向かいの香酔山や榛原の町並みが望まれるが、山頂付近は木が邪魔して何も見えない。
山頂には水神をまつった小さな祠がある。
干ばつの時にはここへ登って水の恵みを祈ったのに違いない。


(11:00) 登山口を出発、山頂には丁度12時に着いたが、木々に覆われ薄暗く陰気だったので食事はおあずけで戒場山へ進む。
10分くらい下ると無線反射板があり東と南東の展望が良い所なので弁当をひろげる。

 南東にひときわ高く見えているのは、多分三郎ヶ岳だろう。
戒場山(738m)へは150m下り、また100m登り返さねばならない。松まじりで雑木の山なのでキノコを探しながら行くも収穫なし。
1時間かけて戒場山に到着。山頂からの展望は何にも見えない。私のような展望派にとって寂しい限りだ。

すぐに出発

 20分で戒長寺に着く。歴史あるお寺だが、説明書を書き写さなかったので忘れてしまった。
朴(ほお)の木(樹齢300年の巨木)とイチョウの大木がある。
 彼岸のころ、参道の階段両側を曼珠沙華が美しい花で彩る。
梵鐘には十二神将の彫刻があり、めずらしい。

 寺から赤人の墓に行くつもりが道を間違え国道に出てしまった。
またまた車がゴウゴウ行き交うアスファルト道なので天満台バス停からバスで榛原駅へ向かった

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