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和 知 富 士

標高 675.1m


1998年03月13日
くもり 微風 気温12度

 3月とはいえ曇り空では気温も上がらずポカポカ陽気とはいかない。
川西から国道477号線を北上し丹波町から27号線を経て京都府和知町へ入る。尼崎から長瀬公民館まで約80kmで2時間くらいのドライブ。

 地元では和知富士を問えば大抵の人は知っているが、歴史については何故富士なのかは関心が無いみたい。
ふるさとの富士が「なんとか富士」と呼ばれるのは通称(愛称)でたいてい正式の山名がある。だがこの和知富士には正式名が無い。
 ホサビ山の南へ張り出した一峰というところか。

 和知町の最高峰は長老ケ岳(917m)でこの富士のすぐ北東側に大きな山塊としてそびえている。
長老ケ岳は近畿地方の百名山の一つ(といわれている)だけあって登山者も多く道も整備されている。しかしこの「和知富士」は知る人しか登られていない山で、道もあるのか無いのかというあいまいなもの。(地形図には尾根に道の点線は入っているものの実際は消えかけている。)

 という事で木々に葉っぱの無い下草の枯れているこの季節に登山を挑戦する事にした。
たかが675.1mだ、なんとかなるだろうと由良川に流れ込む支流の谷を遡行し、尾根を下ろうと決めて入山した。

(尾根筋に道のあるのは判っていたが、少々困難は覚悟の上で谷を遡行し尾根を下るのが面白いと考えた)

tizu

砂防堰堤が出来るのか

 公民館の前の民家の横から谷川を行く。

 植林の杉が切り倒されて放置してあるので飛び越え飛び越え歩く。少し行くと縄張りがしてあり堰堤を作る工事が始まりそうだ。そのための伐採だろう。

 もうその辺りからは道はない。谷に流れる水も枯れて来た。どんどん詰めると、大きな岩にはばまれこれ以上は遡行できないので左の尾根に上がろうと決めた。
 だんだん傾斜はきつくなるし、いばらで引っ掻くし手から血が流れる。道など初めから無いのだ。がむしゃらに木の根っこなどにつかまりながら右に左にと、松まじりの雑木の中を登れる所を探しつつ歩いた。

 なんでこんな事をしてまで「富士」に登るのだろうかと自問自答をしながら、単独行を繰り返す。
シャツ一枚でも汗がどんどん出てくるが、気を抜けない。単独行なので滑落しないように、足など捻挫しないようにがむしゃらだが慎重に慎重に登る。

赤いテープは必要か?

 何とか七合目くらいの所の尾根のかすかだが踏み跡の残る道へ出た。(赤いテープが点々と付けてある)尾根を忠実に直登。

(テープを付けるのは、下山時に道を間違えないように自分ために付けるもので、付けた登山者は下山時に必ずそのテープなどの目印は外さなければならない。他人の山をテープで汚してはダメです)

 しっかりした登山者は地図、高度計、磁石、GPSなどを駆使して登ります。他人の付けた訳も分からない目印は不要です。

 春かすみだし、それに木々も伸びており周りの景観が見えにくい。また山頂には何も無く寂しい所である。
20分ほど休憩を取り、予定通り南へ尾根を下る事にする。

振り返れば三角の富士

 どこから望めば美しい富士に見えるかをいつも考えています。
「和知富士」は下山に通る尾根の流れる方向から見るのが一番良いように思える。  尾根筋は踏み跡があり道になっている。途中笹の茂る付近は判りにくい道であるが、尾根を外さないように歩けばOK。 標高350m地点くらいで振り返ると正三角形の山容に見えるので感動する。

 丹波地方はマッタケの産地で、この山もマッタケ山らしくて立ち入り禁止の網が尾根に延々と張られている。網が道をさえぎるのでかいくぐり通り抜ける。略図に示した二本の高圧線の交差する所が登山口であり、目印となる。

≪道標など一本も無いので登山口を間違えないようにしましょう≫

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