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丹波富士(牛松山)

うしまつやま    標高 636 m


登山記録

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2007年03月04日へ


1997年10月29日
  丑年で人気の山

 今年も残すところ一ヶ月。来年の1998年は干支では寅年となっています。今回紹介するお山は「牛松山」と言い今年は丑年だったので一躍人気の山となったそうです。

 十二支は、子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥です。十干(じっかん)は、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸です。
この十二支と十干を一字づつ組み合わせると60組の文字ができ、これで年号をあらわし一回りするのに60年かかる。60歳を還暦というのもこのことで、「◎◎さん還暦おめでとう」ということになる。

 ちなみに今年は「丁」と「丑」を合わせて「丁丑」、来年は「丁」の次の「戊」と「丑」の次の「寅」で「戊寅」となる。
名前から横道にそれましたがバスを連ねて牛松まいりとは観光業者も抜け目ないものだと感心しました。

保津川と富士

 「丹波富士」と呼ばれるこの山は、亀岡の保津川下りの乗船場から川を隔てて真正面に見える。
右手の愛宕山から南西へひいている稜線が切れるあたりにこんもりと端正な姿で目に飛び込んでくる。山頂はずんぐりとした感じであるが、堤に植えられた桜の木々を通して望めば一幅の絵になる。
私が登ったのは10月29日で桜花はなかったが、満開のピンクのコスモス越しに見る富士に迎えられた。

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「北保津」が登山口

 JR亀岡駅からバスで15分くらいのところ「北保津」バス停が登山口となる。
バスを下りて東へ向かうところに「愛宕山」と刻まれた石柱が立っている。多分この近くを「明智越え」という道が愛宕山に向かっているので、道標として置かれたものだろうと思う。
竹薮の中を10分も行くと石の鳥居があり、左手には福性寺(臨済宗)のお寺がある。

金刀比羅神社の参道

 鳥居をくぐると山道となり、石ころまじりの道ではあるが割と広い参道である。
参道は18丁あり立派な丁石が道標となっている。
秋とはいえ10分(3丁)も歩けば汗が出てくる。ジャンパーをぬいで脇に抱えてまた歩き始める。
6丁石はすこし開けた見晴らしの良いところに「常夜燈」(明治)と共にある。
松と雑木でここまでは視界が全然なかったので、ここから振り返る亀岡盆地の西の方の景色を楽しむ。20階建ての市役所がひときわ目立つ。行者山や半国山も左手に見える。
愛宕山の方面は見えない。

 この山も昔は松茸山だったそうだが、今はダメみたいでキノコの生える雰囲気もない。 11丁には「御神燈」(文化7年)がデンと座っている。参道は尾根に開かれており歩きやすいが、展望は木々にさえぎられてほとんど望めない。6丁の次に見えるのは14丁の所で、今度は盆地の東方面である。
坂の傾斜は2ケ所ほどきついところがあるが大体はゆるやかである。
ゆっくり歩いて約1時間で18丁に着く。
18丁にも鳥居があり30段の石段を上れば金刀比羅神社の社殿がある。

2352回の登頂

 社殿に紙が貼ってある。
よく見ると月日と氏名が書かれている。「10/29 2,352回-服部」と記した服部さんに丁度この日お会いした。
「丑の山を目当てに来たんですか?」と聞かれたので「いえいえ、富士と呼ばれている山を巡っているのです。」と答える。
2352回も登っておられることは後で知った事なので彼の目的は聞き損ねたが、地元の方なので健康維持の為に登られているのだろう。それにしても毎日登っても2352回は何年かかるものだろうか。
又張り紙には次の言葉が添えられていた事を思い出す。

天才は有限、努力は無限、継続は力なり

 社殿から4分くらい西へ行ったところが牛松山の最高点でNHKのアンテナがある。アンテナの向かう方角だけ木が切られて見晴らしがきくが他は絶望。最高点から200mくらい西に三等三角点があり、標高は629.2mである。ここも木の中で昼でも暗い、まったくイヤになるほど暗い。
私は暗いのはイヤ、暗いのは夜だけでイイ。
いつも展望のない山のテッペンで思うことは「テッペンだけでも木を切ってくれ」だ。
自然保護に反するかなあ。

亀岡盆地の昔は沼地

 山頂の社殿の横に建物があり、そこに船が二隻奉納されている。
亀岡は今は盆地で中央を保津川が流れているが、太古は沼地であったそうです。川が運んだ土砂で陸地となりそこを川が流れる。
そうして京へ物資を運ぶのにこの川を利用した水運が発達した。保津川下りでのあのスリルも遊びなので楽しいものの、小さな船で物資を運ぶとなると大変苦労した事だろう。
転覆した船もあったろう。
そこで船頭さん達は牛松山に水運の神様である金刀比羅宮を奉り、船の安全を祈願したのだろうと想像される。

そうして人々は、「丹波富士」と呼び親しんできたのだ。


2007年03月04日(日)
 晴れ

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町おこしの菜の花畑と丹波富士

 福性寺の駐車場は参詣者のため、登山者は寺の駐車場を過ぎた登山口のすぐ横にあるのでそこに停めなさいと里人から助言をいただいた。広いので10台は駐車できそう。歴史を感じさせるお寺の苔むした参道はいいですね。

 山頂から国分の方へ下る今日の予定で、山頂まで18丁、登り1時間、下り40分くらいの気楽な山行だ。





登る途中で年配のご夫婦に遭い言葉を交わした。地元の方と察したので「毎日登山いいですね、もう500回くらい登られましたか?」とお尋ねすると「いいえ、1,000回以上です」とお返事が返ってきた。すごいですね!!


18丁石(高さ1mくらい)




奉納された船


保育所の子供達も登る
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三等三角点

亀岡市のHPより

 亀岡は「丹波」です。「丹波」の名は、かつてこの地が湖であり、丹(あか)い波が立っていたからだと伝えられています。晩秋のころに、亀岡盆地を覆う霧の海は、この丹波を連想させます。この地が丹波と名づけられたのは京に都が置かれたときよりも古く、奈良の東大寺建立とあわせて、この地に国分寺が置かれたときに遡ります。

愛宕神社(本殿はこの覆い屋の中)

 三角点、テレビアンテナを過ぎればものすごく急な下り坂だ。急げば痛くなる足の膝をかばいつつできるだけゆっくりと歩くよう努める。途中で分かれ道があるがどの道を行っても愛宕神社の付近に下山できる。

神木の杉(ムササビが住み着いている)

愛宕神社(あたごじんじゃ)
  元愛宕と呼ばれ、全国の愛宕神社の総本宮また鎌倉時代建立の本殿は国指定重要文化財となっている。

 

丹波七福神 毘沙門天 神応寺境内の花は満開

丹波七福神 の説明ページへ

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マンサク クリスマスローズ 福寿草  

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サンシュ  ミズキ  うめ

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八重つばき

 同寺の可愛い
なーむじぞーそん

 

 下山後、愛宕神社の下にある東屋で湯豆腐に舌鼓をうち、山行の余韻を楽しむ。
一時間ばかり休憩後、丹波七福神 毘沙門天 神応寺で春満開の花々を鑑賞し、車を停めている福性寺まで約3キロの道を行く。

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