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紀州富士(竜門山)
8月25日 (晴) 気温31度 そよ風降り立った駅前は売店があるくらいで静かである。タクシーが2台客待ちに止まっている。登山口である一本松まで、車を気にしながら舗装路を約3km歩けば5〜60分はかかりそうだし、この暑さである、タクシーにしようと乗り込む。 「一本松まで」と言っても運転手は自信なさそうである。「あのお、竜門山への登山口ですがーー」あれこれ言っておれば、伝わったらしく走り出す。竜門橋を渡り村中を過ぎると、ミカンや柿それにモモやイチジクの畑となり山の斜面を走る。 「山に登りに来てタクシーで上まで行ったら登山になりませんで、このあたりで降りなさい」とだいぶん手前で降ろされた(820円)。儲け気のない運転手だ。 右を見ても上を見てもミカン畑が続いているつづら折りの道を歩き始める。道はきれいに舗装されている。「一本松」の名の通り松の大木がある台地状のところに着く。まだ25分歩いただけだが一汗かいたので休憩をとる。ここはその昔、村人達の雨乞いの場所で善女竜王の小祠がある。 「竜門山」(りゅうもんざん)は別名「勝神山」(かすがみさん)とも云う。紀ノ川をはさんで真北にある和泉葛城山(858m)から眺めると西の飯盛山(746m)から竜門山に続く竜門山脈の主峰で標高757mの堂々とした山である。 紀ノ川の河口方面から川越しに見れば、富士の姿に似て「紀州富士」の愛称で今も親しまれている。 ここから山道は二手に分かれ、田代峠コースと中央コースがある。距離はあるが傾斜の比較的緩やかな田代峠から山頂へ登り、中央コースを下ることにする。 台地から左へ道標を見て進む。麓は果樹畑に開墾されているが、一本松からは赤松や雑木のはえる山で、このため気持ちの良い山歩きが出来る。約30分進むと道の左手に本当に小さな石仏があり、地図には最後の水場と書いてある沢を横切る。水は夏枯れでチョロチョロとしたたり落ちる程度で飲むほど流れていない。10分ほど休みを取り出発。
「ふもとは みかん畑 紀州富士」 さわやかな田代峠 水場から30分で着いた田代峠は道を左に行けば飯盛山、右に取ればめざす紀州富士への分岐点である。 山頂のすぐ手前に「磁石岩」と呼ばれている大型バスほどもある大岩がある。コンパスを近づけると磁針が動くので確かに磁性をおびていることはまちがいない。地球自体が大磁石なのでこの岩に磁性があっても不思議じゃないはず。 山頂からはすばらしい展望 三等三角点の山頂は東西に長く広いススキなどの草原で、立木も多くあるが眺めは良い。南には生石高原、東に高野山、北には紀ノ川が流れその向こうに和泉山脈、西に和歌山市街がかすむ。 12時40分下山開始。分岐を右にとり進むと看板があり「このあたりは蛇紋岩地帯で紀伊シモツケの群落が自生」と表示。シモツケはバラ科の植物で5月中旬から白い花を約一ケ月間もつける。日本にはイワシモツケ、トサシモツケとの三種のみで県の天然記念物に指定されている。 10分で明神岩・風穴に着く。埋め込みボルトが打たれている明神岩の上からは粉河の町が一望できる。ほぼ垂直に高さ25mくらいもある岩なのでロッククライミングの練習をしたのだろう。 竜門山は南北朝時代に戦場となったところだそうで、この風穴に楠木正成が一時こもったという。天然冷蔵庫で明治のころ繭の保存に使われたと云うが、今は入り口が草や土砂で埋まってしまっている。 登山道は迷うことのないよく踏まれた一本道 道の両側の笹や小木は刈り込まれているし、木の階段もなく自然のままのS山道なのでうれしい。「夏の山歩きはしんどいなあ」などぼやきながらダラダラ歩く。その為、JRの列車に遅れそうになり駅まで1.5kmくらいランニングでメロメロとなる。 梅田(地下鉄)ーー難波(南海高野線)ーー橋本(JR和歌山線)ーー粉河
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