泉州小富士山
せんしゅうこふじやま
標高 260m
市島町の「小富士山」それに泉佐野にも「小富士山」がある。その名を泉州小富士山という。
湾岸道終点で下りて阪和道泉佐野JCTへの連絡自動車添いに車を走らせる。
大阪の葛城山一金剛山を貫くダイヤモンドトレイルの南端の紀見峠から和歌山市へ脈々と和泉山脈と呼ばれる山々が続いている。岩湧山一和泉葛城山―三国山―三峯山などなどである。
その山脈の三峯山の北に張り出した小山が並んでいるが、その中でひときわ目を引く素晴らしくきれいな形の一峰がある。これが「泉州小富士山」である。(標高260m)
小さなロードマップにもこの山の名前が載っているくらい有名だから昔から由緒ある山に違いない。
関西国際空港が出来てがぜん名の売れた泉佐野であるが、その北に熊取町があり熊取から和泉山脈を越え和歌山の粉川へ抜ける粉川街道(府道62号線)がある。 その街道を4kmばかり走ると右手に朱塗りの鳥居が見えてくる。ここが登山口となっている通称「水呑地蔵さん」である。
1902年に小富士山麓に新築なつた立派な本堂には白住(はくずみ)龍神竜王が役小角、清水地蔵と共に祭られている。
また中腹には奥の院がある。
旧街道道脇には清水がコンコンと湧き、夏でも涸れることはない。街道を往来する旅人には命の水となっているし、地元の住民にとっては神水として飲料用に重宝されている。
私もペットポトルにいただき一口呑めばカも湧いてきた。
本堂横から奥の院への参道が登山道で、幅や高さはまちまちだがセメントで固められている。
石段に落ちた枯葉などを掃いている副菅長様にお聞きしたところ、「この石段は350段あり修行の場となっている。毎年3月28日の竜王大祭には、行者が参集して私も修験者の姿になり祭を盛大に執り行う」とのことでした。
石段はジグザグに急坂を登り約20分で奥の院に着く。最近は体調の優れぬ日が続き山から速ざかっていたので、竜王様に今日明日の健康をお願いする。
奥の院までは石段があるが、ここからは背の低い雑木林の山道を行く。一筋の道は在るようで無いようで、露出した石に注意しながらだんだんきつくなる勾配を一歩一歩木の枝をつかみながら登る。
10分の登りで北のピークに着くと、展望がパッと開ける。左へ少し下リ鞍部から5分くらい登り返すと山頂だ。 木は松が主体の山頂だが、ハイマツのように背が低い。白色の岩の山なので多分これ以上大きくはなれないのだろう。 そのため360度さえぎるものがない展望が得られるのは展望派の私にとっては幸いだった。
眼下に泉南平野を見下ろし大阪湾を越えたほぼ真北に六甲連山、北西に関西空港連絡橋が銀色に輝く。そのはるか向こうに明石海峡大橋(今日は初夏の霞で見えないが)、北東には雨山があり東南方に稲倉池が見え、その奥に和泉山脈が東西に続く。
温度計は28度を指しており、木陰もなく暑いがわずかに風があり救われる。昼時なのでコンロを取り出し料理を始める。
時間はたっぷりあるので山頂で1時間ほどゆつくりしてから下山することにした。
山頂から稲倉池へ向って南へ稜線が下りている。岩が風化して石ころとなり尾根を歩くのはとても滑りやすい。ズズッと滑って横の木につかまる。同行者も"ワわアー"と言って滑る。
アルプスと違ってここは小さくても木が両側にあるので転落の危険はまないが、転べば打撲傷で痛い。転びたくないので、慎重に、いくつものコブを乗り越して行く。
振り帰えれば良い形をした富士が望まれこちらの方角からの形がいい。 中ほどの鞍部で分岐があり右へ下ると稲倉池への近道である。私たちは忠実に尾根を最後まで縦走することにし直進した。
ところが分岐からの道は、あまり歩かれていないと見え、クモの巣を振り払いながら崩れた所や木々をかき分けながら苦労した。
登山中の会話から
ハゲ「実は私、昨日散髪したんです。」
デブ「登山と散髪はどう関係するんですか?」
ハゲ「少しでも軽量化したかったんです」
デブ 頭を見て「そうかなあ!!
今回は水呑地蔵さんより奥ノ院への参道を歩き、小富士山へ登ったあと南山麓の稲倉池へ下ります。池からは車道を水呑地蔵さんまで戻ります。
清水地蔵尊の駐車場に車を停め
泉州小富士山のありがたいお守りたくさん
まずは身体健康をお祈りします
こんこんと湧き出す御浄水を頂きました。 冷たくおいしいお水です
一本の巨大なご神木の楠木
地蔵尊の左手から奥ノ院への参道
奥ノ院
お社の右手から小富士山へよじ登ります
東のピークより山頂を望む
小木、下草が密集しています
小富士山への最後の登りは苦行です
阪和自動車道
眼下に稲倉池
南尾根を下山時、振り返り見た山頂、こちら側からは岩肌が見えています
稲倉池まで降りてきました
ここは関電巡視路を利用して登る登山口です
稲倉池の周りにはスポーツ広場や青少年野外活動センター、山仕事の森等が作られています。