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鳥羽富士(灯明山)


4月14日 晴れ・風弱し・19℃

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神島・潮騒の国

 神島は鳥羽・佐多浜港より海上7.5km、島の周囲4kmの小さな離島で渥美半島の伊良湖岬と目と鼻の先にある。ここ神島へは鳥羽より定期船が運行されており、私達は14:00発の便に乗船した。近づくに連れその島影は、灯明山(とうめいやま)を頂点とした亀に見たてられる。古くは亀島と呼ばれたことが納得される。

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富士を見る山

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 「鳥羽の富士山」と呼ばれる「東山」(140m)は「灯明山」(170.9m)の東斜面一帯を指し、島民はわずかの平らな斜面を耕し野菜などを作っている。
 島の民は畑を耕しながら、東北の渥美半島をへだてた山々のかなたに富士を見ることがあった。約100年前浅間神社が祭祀されいたことから東山を「富士山」と愛称で呼んできた。

小説「潮騒」

 三島由紀夫の「潮騒」に出てくる「歌島」はここ神島が舞台である。漁師の青年・新治と海女の初江の淡い恋を描いたこの作品を読み、北海道からはるばるこの離島を訪れたという初老の一人旅の方と同じ船客となり、また同じ旅館に泊まるとのことで、神島の島巡りも同行する事になる。

島めぐり

 旅館に荷物を預け、身軽になって島めぐりに出発(15:00)する。周囲4kmたらずの島なので富士登山、野鳥鑑賞、観光名所めぐりをしても3時間もあればと思い、おかみさんに「6時には帰ります」と伝えて宿を出る。
 小説「潮騒」には眺めのもっとも美しい場所が二つあると書かれている。一つは島の頂きちかく、北西にむかって建てられた八代神社で、もう一つは島の東山の頂きに近い燈台である。

八代神社

 階段状に建った民家を抜けると鳥居が立ち、海の神様が祀られたお社まで真っすぐ伸びた214段の石段がつづく。周りの樹木は離島特有の常緑樹のため小鳥がさえずるが姿がとらえられない。
 階段途中で振りかえれば美しい景色だが小説のような「伊勢海の周辺が隈なく見える」状況ではない春のかすみ。お社まで20分。

神島燈台(1927年完成)

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 神社裏から断崖の下に海を見ながら遊歩道を登れば白い燈台まで約20分。松が枯れ幹だけが残る景色は無残である。松の実を食すカラスが減り、鳶がこの島では優性だ。
島と海の上空をゆったりと鳶が舞っている様は時間が永く流れている事を感じる。
燈台は観光客にはただの展望スポットだけであるが、狭い伊良湖水道を通過する船舶に対しては衛星通信の発達した現在も位置確認の重要な役目を担っている。

東山から灯明山へ

 燈台から東山へは人工階段の樹林帯(トベラ、ウバメカシの群落)を通る。
東山は標高140m付近であるが樹林の中にある。島の最高峰である灯明山まで一気に階段を登ると、一等三角点のある山頂は木に囲まれているが東北の方角のみ木が刈り取られ、伊良湖岬からはるかかなたに富士山が見えるようにされている。
  ここよりよく晴れた2月の早暁に富士山を見たいものだと思うものだが、望みはかなえられそうに無い。

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監的哨(かんてきしょう)跡

 旧海軍が伊良湖から撃つ大砲の試射弾の着弾点を確認するための施設だった。
「潮騒」の主人公が愛を確かめ合うクライマックスの場所。
  高台にあり、素晴らしい展望の場所で、海上を舞う鳶も下に見ることができる。神島はサシバの渡りを観察する絶好の島として有名であり、また海鵜(ウミウ)の集団越冬地でもある。
 双眼鏡で見るとウミウが飛び交いそして海面に浮かんでいるその数は数え切れない。
私の独断だが数万羽か、それ以上か。それに比べ、白いカモメは数少ない。

カルスト地形

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 どんどん下ると小中学校に到るがその校庭の端は海に面しており石灰岩が風化され海面より屹立した天を突くような奇妙なカルスト地形(市の天然記念物)となっている。
ここでもウミウが飛び交い鳶が舞う。そして珍しい鳥「イソヒヨドリ」(赤いおなかをしたヒヨドリ)を見る。
この島には宿の周りでも姿を見せる。

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http://hiraokaya.sakura.ne.jp/  (同行のY氏撮影)

宿の展望風呂

 島には四軒の旅館と九軒の民宿がある。
一昨年改築されたという四階建ての「山海荘」に一泊したのだが、一階はフロントに食堂、ニ階三階は部屋で四階に風呂があリ前面がガラス張りとなっている。
  いま正に沈まんとする太陽を眺めながら湯に浸かる。
富士や伊勢湾の景色が満足に見えなかったが、のどかな離島での一日に大満足。

「天国に 近い島なる 神の島      
      富士に潮騒 海と山の幸」

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