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伊賀小富士(南宮山)


1998年12月17日(木)
 晴れ時々曇り 気温14℃

 私の勤務する会社では年次有給休暇が年間20日間ある。今日もその休暇を利用して山に行く。
静かに、だあれもいない静かな山へ一人で行く。私の趣味の中の趣味である。

 「伊賀富士」と呼ばれる山は「笠ケ岳」が有名であるが、上野市にある南宮山も「伊賀小富士」と呼ばれている。  山に登るのに神社や宗教は関係無いのだが各地の富士と呼ばれている山に登る、あるいはその呼ばれている意味をさぐるとどうしてもこれを避けては話が進まないので少しばかり触れてみる。

一の宮

 平安時代ころから諸国において由緒の深い神社、または信仰の篤い神社が勢力を有するに至って、おのずから神社の階級的序列が生じ、その首位にあるものが一の宮とされた。

敢国神社

 上野市一の宮に伊賀一宮として名高い敢国(あえくに)神社がある。
「御祭神は大彦命(おほひこのみこと)を御主神としている。大彦命は北陸未開の地を教化し後伊賀の国に永住せられ国家繁栄の礎を築かれました」となっている。

南宮山

 「前方にある峯でその姿秀麗なるがゆえに「伊賀小富士」と称せられているのが「南宮山」である。
麓からの眺め美しく頂上は眺望絶佳、秋はマッタケの芳香も香しく頂上に末社浅間社があります。」と敢国神社のパンフレットに紹介されている。

上野は車が便利

 早朝06:40、車で出かける。
通勤ラッシュを避けるため朝飯を食べずに出発したのだが、大阪市内を通過するのにはやはり時間を要した。  国道163号線を木津川沿いに走り、途中にあるコンビニで仕入れた朝食で腹ごしらえをする。
09:20上野市役所に到着。商工観光課で山の案内を乞うと敢国神社までの道順を教えてくれ、そこから登山道はすぐ判りますとのことだった。

神社に参拝してから

 市役所から約15分走ると名阪国道を少し入ったところにある一の宮に着く。
神社の駐車場に車を止め、まずは参拝をと鳥居をくぐる。さすが一の宮、長い参道には松の大木が続く。健康長寿の神と交通安全の御霊徳があるというのが現在の敢国神社だそうであるが、とにかく健康と山行の安全を祈る。
神官に「南宮山」にはどこから登るのですかと伺うと「鳥居の前の道を左に50mほど行くとNHK中継所登山口と書いてある標識があるからその道を登りなさい」と教えていただく。

小学生のハイキングの山

 登山口の標高が120mくらいで南宮山の標高が350mなので高低差は200mちょっとである。
近くの小学生のハイキングか子ども連れ家族のピクニックなどに行かれる山で、山屋の行く山の内には入れてもらえない山である。  私は「富士」が目的なので、そんなことは一向に気にせずルンルンらんらんハヘイヘイ気分で歩き始めた。

 すぐ岩まじりの道であるが、ゆるい坂道が杉の植林の中をうねうねと続く。
苔むした岩はじめじめと滑り易く気は抜けない。
 薄暗い杉の中を10分くらいも歩くと、明るい尾根に飛び出した。ここからは尾根をダラダラと、少し進む。両側は松まじりの潅木帯となる。神社のパンフレットで紹介のあったマッタケの香りとはこの辺りのことだろうと想像するも、現在も本当にマッタケが出るのだろうか。???

 坂の傾斜がだんだんきつくなり頂上かなと思われるピークに着くが、頂上はもう少し進んで少し下りまた登り返した所である。


 頂上は三等三角点で、浅間社のお社がある。
気温は14℃あり約20分の距離であったが一汗かいたので、立ち止まると風が肌に冷たい。
 展望は北西の方角のみ木が切り倒されていてあるが、他の方角は松などの木が林立しており残念ながら何も見えない。
麓のすぐ近くを名阪国道が通っているのでひっきりなしに走る自動車の騒音がここまで聞こえて、静かとは言い難い。

三つの「伊賀富士」

 どちらがどうと言う訳ではないが、その地にあって一番美しくて一番威厳があって一番高くてと言うのが「富士」なのである。
つまりその地で一番がふるさとの富士の座に就く

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