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小野富士(惣山)

標高 198 m


2009年7月29日の記録へ

2000年12月13日
 晴れ・小春日和

 8時20分鴨池キャンプ場駐車場に車を止める。畑土は霜で白く、冷たい外気は湖面から昇る水の蒸発を霧にしている。夏にはにぎわうこの池だが貸ボート屋なども今は店仕舞いで私達の他に車はいない。

思えば30年以上も前にこの池で友人達と暑い夏の日に泳いだ事が頭をよぎる。

 フリースのシャツ、ジャケットに軍手をはめザックを背負う。男池の湖面に浮かぶ数10羽の鴨が私達の足音を察して近づいて来る。子供たちがパンの耳などを餌として与えているのだろう、私達にもおくれと催促しているようだ。"ごめんな"今日は持ち合わせが無いのだ。

 男池と道を挟んで隣に女池があり、湖面の向こうに惣山こと「小野富士」が左右に同じようなピラミダルな小山を従えて静かで鏡のような湖面に影を落とす。

   兵庫県小野市は市の西部を加古川が南北に流れ川に沿って国道175号線が走り、市の東端を東経135度(日本の標準子午線)に接する。静かだったこの地方も山陽自動車道が市の南境界線に沿って開通して以来騒々しくなっている。この騒音が登山中ずっと耳から離れることが無かった。
 「小野富士」は標高197mで小野アルプスと呼ばれる連山の西部に位置している。184mの紅山や他の160m峰が形としては美しいが「小野富士」は少し形くずれの姿であるものの197mの高さはこの連山の中での最高峰で高いが故に富士と呼ばれるに相応しいのだろう。
 ここでは富士は高くてはならない。

紅山

 アルプス全山を東から西へ縦走することにし登山口の鍬渓(くわたに)神社に向けて進む。
途中、稲が刈り取られた後の畑をあちこち穴を掘っておられるので「何をされているのですか?」と伺うと、「中世の遺跡を探しています」と考古館員さんのご返事。
 小野市には国宝の「浄土寺浄土堂」と堂内には国宝「阿弥陀三尊」が祭られ古くから開けた歴史ある町なので、隠れた文化財が発掘されるかも知れない。

「鍬渓温泉」も

 神社の横には「鍬渓温泉」があり入ってみたい気もするひなびた温泉。
小野市はアザメ峠から小野富士周遊の道を整備済みだが、両サイドは未整備で里山特有の踏み跡程度のものしかなく、また枝分かれも多いだろうから無事に縦走できるか自身がなかったが、地図とコンパスを片手に、神社鳥居の手前の踏み跡をたどって山に入る。(09:20)

 道は尾根を直登している。所々に白いビニールテープが木の枝に巻かれており、小木がナタで切られている。これが縦走路のものかどうかは、判断がつかないし他には標識など全然ない。

地図には道がない

 143m峰から次に目指すNTT無線中継所への道が早速わからない。アンテナが谷の向こうに見えているがどう行けば正解なのだろうか。谷へ下りる踏み跡はいくつもある。最初に下りかけた道は少し行くと急勾配で同行の友が危険そうなので引き返す。少し尾根を進んで見るものの道が見つからず、これ以上行けば方角違いになるので又すこし戻り、別の踏み跡をたどり下る。

 谷へ下りついた所でテープがあったのでそれに導かれて沢を上流向かって進むと、さっき通った景色と同じような所へ出たのでおかしいなと思いつつ進むと最初に下りかけた手前に来てしまい、サークリングにはまってしまう。

 ここではもう勇気をだして見えているアンテナを目がけてブッシュをかきわけ急下降で谷へ直進し、かすかな踏み跡を見つけたのでまた登り返す。そうしてなんとかアンテナ補修道路に飛び出したが、ここまでなんと3時間を要した事になる。
当初の予定では小野富士手前まで進んでいる時刻だ。(12:25)

 ここで昼食休憩。天気も良いし、お稲荷さんもカレーウドンもうまかった。小春日和で昼寝もしたい気分だ。おっといけない、まだまだ先は長い、気分を引き締め出発(13:25)

 ここからもアップダウンを繰り返し3峰をさんざんの目に合いながら、とうとうアザメ峠に着いた。(14:30)

富士は次にしようかな

 今日はもうここまでにして帰ろうと話し合ったところで、ティータイムにする。ここからは市が道を整備してあるので駐車場まで自動車道を歩くより目的の「小野富士」を今日登って帰ろうと気が変わる。

 確かにここからの道は、今までのブッシュの踏み跡と雲泥の相違である。ルンルンまでとは言えないものの気分が良い。
168m峰を越えると西日の斜光に輝く富士の姿が目に飛び込んできた。花の少ないこの時期であるが、アンテナ山の岩場付近では秋の花であるヤマラッキョウ(紅紫の色)が群生していた。
(花はほとんど終わりだが)

「小野富士」に着いた時は、もう冬の太陽は西の高御位山(播磨富士)に沈みかけていた。(15:55)

 申し分のない頂上の展望もそこそこに疲れた足を引きずり、遊歩道を下り中央出口を経由、湖岸の駐車場へ日も暮れた17:30に着いた。
苦労したが、アルプスの後半部を残したが富士登頂は出来たので満足感を胸に車を走らせる。


2009年07月29日(水)
 くもり

samunail

鴨池(女池)
(奥の左より2番目のピークが小野富士、その右が紅山)

  クリックすれば拡大

紅山の南尾根は岩尾根。。。ここを下るのだぁ

gps_tizu

GPSの軌跡

行 程 表
  富松センター(07:00)~中国道宝塚 IC~山陽道三木小野IC~鴨池キャンプ場(08:35)
行程 ~福甸峠登山口(08:50)~岩山 (09:55/10:15)~紅山(10:50/55)~惣山(11:20/30)~昼食(11:55/12:40)~キャンプ場(14:35)
  ~白雲谷温泉ゆびか(15:00/16:00)~往路を戻る~富 松センター(18:00)
距離 車走行 140 km   歩行 約 6.5  km

 

gps_graf

 アザメ峠からNHKアンテナをへて、鍬渓神社へ下山し、駐車場に戻る予定があまりの暑さに疲れてしまって小野富士を最後に展望台手前の開けた岩の上で昼 食後下山してしまった。

汗がしたたり落ちる梅雨あけ前のハイキング


鴨池キャンプ場より


鴨池




猛毒菌ですよ





真夏の苦行






岩尾根を上から見下ろすと。。。。。
下方に同行者二人が先に行く





小野富士山頂の三角点


昼食場所から振り返る

山頂の道標(ここは樹木で展望なし)   



  岩倉峠道にこんな古い道標が立っています
右 小の町 。。。。。。。
左 やしろ たきの あを道
 (社 滝野 粟生)

 帰りの日帰り入浴はNTTアンテナの立つ山の南東麓にある白雲谷温泉「ゆびか」です
春の「新型インフルエンザ流行から元気になろう、温泉で」と7月中は半額の300円、満員で女性風呂は2、30分待ちでした。温泉につかり疲れも吹っ飛びました

流れる汗に 道中なかばで 断念だ

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