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若狭富士(青葉山)



1997年07月20日(日)
快晴 気温32℃

若狭のシンボルの山

 若狭湾は東の越前敦賀から西は丹後半島に囲まれた大きな湾である。湾岸には国道27号線が敦賀から舞鶴へJRの小浜線に沿って走る。
JR若狭高浜駅を南へ少し歩くと城山があり国民宿舎「城山荘」がある。ここから「八穴の奇勝」めぐりの遊歩道があるので、歩くと日本海の荒波が作った素晴らしい眺めが楽しめる。  城山といっても高さは100mくらいのものであるが、ここから西へ目をやると、高浜海水浴場の砂浜の続く前方にまさしく正三角形の青葉山がデーンとそびえている。
これぞ若狭のシンボル「若狭富士」である。

後陽成天皇の子、八条王子は、秀麗な富士形のこの山を

「富士なくば富士とやいはん若狭なる
青葉の山の雪のあけぼの」
八条王子

と歌に詠んでいる。

 

双耳峰だが

 東西方向から見れば富士形のこの山も実は双耳峰で、東峰(693m)に青葉神社、西峰(692m)に西権現が祭られている。
戦前は女人禁制の修験道の霊山であったが、現在は城山から近畿自然歩道として山道が整備され12kmのハイキングコースとなっており、多くのハイカーに親しまれている。
登山口は標高30mくらいなので標高差は650mもあり登るのには結構苦労する。



 

ペンションに一泊

 舞鶴自動車道が開通したので大阪から3時間で行ける距離であるが、気楽に登山しようと思い一泊とまりで行く事にした。
東山麓に若狭観音霊場33番「中山寺」(泰澄が修験道場として開山、桧皮葺の本堂は国の重要文化財となっている)、西山麓に松尾寺(西国33観音霊場の第29番札所で、8世紀初めに唐から渡来した威光上人が馬頭観音を本尊とした、真言宗の古刹)があり、青葉山を山号としている。
青葉山「松尾寺」から西峰~東峰~中山寺のコースを歩きたい所だが、私のお気に入りのペンションが中山寺の横にある「秋岡屋」で車を停めている都合上、今回は中山寺から山頂まで往復することにした。
朝7時30分に朝食を用意してもらい8時15分出発。



YAMAP地図参照
 

丸太の階段

 コースは片道約3.7km 中山寺山門手前の左側に小さな道標が立っており登山口となっている。  すこし進むと右側に青葉神社がひっそりと鎮座しているので、お参りをする。道は二手に分かれるが左へ進む。
9月とは言え残暑が厳しく早朝なのに気温も30度近くなっている。
 青少年センターからの車道と交差するところに立派な登山コースの案内板がある。全長11kmの自然歩道が昨年秋に整備完了したようだ。
赤土のズルズルだった山道は丸太で完全に階段状にされており、歩き易いが余りにも人工的な道で味気ない気がする。また10分感覚くらいに休憩用のベンチも置かれている。

熱い暑いあつい!!

 丸太の階段がつづく、汗が流れる、うっとうしいちっちゃな虫が顔のまわりを飛ぶ。手で払っても払ってもおかまいなしに寄ってくる。という状況であるが、重そうなザックを担いだ中年男とぬかれつ、ぬきつつ「暑いなあ、まいったなあ、しんどいなあ」などとしゃべりながら歩く。


東峰までわずか3kmなのに1時間45分かかってしまう。この山も半分は針葉樹の植林の中を歩くのだが、山頂近くにある”馬の背”と呼ばれる岩から山頂までの15分間くらいはブナの大木が続くすばらしい山林である。
青葉神社のある山頂からは若狭湾が一望のもとに見渡される。

 



修行の場

 東峰から西峰への尾根は修験者の修行の場所であった。岩場の連続で高低差はそんなにないがクライミングのロープが必要となりそうな所。以前はクサリが掛けられていたのだが、昨年の整備でクサリが取り払われ鉄の頑丈なハシゴが設置された。
安全になった代わりにスリルが無くなった。

風呂に浸かり気分爽快

 西峰への25分の岩場をすこしだけスリルを楽しむ。山頂の巨岩上からは沸き上がるガスで残念ながら展望は少しだけだった。
同じ道を下山する。出発の時「お風呂沸かしているので、帰りに入ってください」と女主人から伺っていたので、遠慮無く一風呂あびて気分爽快であった。

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